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元山岳部部長の登山講座

登山にも大会がある!?~山岳競技のお話

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登山にも大会がある!?~山岳競技のお話

登山にも大会があります。

高校や大学の山岳部、社会人山岳会に所属していれば大会に出場する機会があります。

登山は知っていても、大会があるのを知らない人はたくさんいて、「なにを競うの?」とよく聞かれます。

今回は高校体育連盟や国体が主催する大会のお話です。

 

高校体育連盟(高体連)登山競技って?

もう30年前の話になってしまいますが、現在でも高体連には登山競技があり、全国大会、いわゆるインターハイもあります。

古い話になりますが、ルールは現在もそんなに変わっていないようですので、私が見てきた高体連登山競技のお話をします。

高校入学と同時に山岳部に入部、5月には高体連の地区大会があり私も出場することになりました。

山岳部に大会があるとは知らなかったので、いったいどうやって順位をきめるのか不思議でしたが、ほかの運動部と同じく大会があるのは嬉しいことでした。

大会は毎年5月か6月に地区大会、9月に新人戦があります。日程は地区大会が2泊3日で、新人戦が1泊2日で行われます。

会場の山は1500m級の中級者向きなコースが選ばれていました。

地区大会のスケジュールはだいたいこんな感じです。

1日目

登山口集合~テント設営~開会式~ペーパーテスト、装備品の検査~天気図作製~炊事~ミーティング~就寝

2日目

起床、炊事、テント撤収~出発(全装備)~山頂~キャンプ地到着~テント設営~炊事~交流会~就寝

3日目

起床、炊事、テント撤収~出発(全装備)~登山口~閉会式

 

パーティー編成は4~6名でリーダー、サブリーダーを置きます。1パーティーに監督(先生)が1名つきます。

学校によっては、部員が少なく、1パーティーしか出場していないところもあれば複数パーティーを出場させているところもありました。

大会といっても、各学校のパーティーと主催者(主に地元山岳会の人達)が集団で登山をし、下山までの間、審判員がパーティーの行動を逐一チェックして採点していく感じです。

なので、なにをどう採点されているのかは出場者にはわかりづらいというのが実感で、顧問の先生が地元山岳会の会員だったりすると対策もしやすいのでしょうが、先生が山の好きなただのおじさんだった場合、高得点を出すための対策は難しい面がありました。

わかっていた採点基準は、パーティーの体力(バテていないか)、パーティーの統制、歩行技術(バランスが良いか)、装備品(パッキングはいいか、必要なものをすべて持っているか、防水などの工夫がしてあるか、実際にザックの中身を見られます)、幕営(テント設営、撤収の作業要領はよいか)、炊事(献立の内容、コンロの取り扱い)、気象予測(ラジオの気象通報による天気図作製と翌日以降の天気予測をし天気図を提出)、登山計画書・記録書(適切な内容か)、読図(行動中に現在地などを質問されたり)、ペーパーテスト(その山の概要、気象知識、読図知識、食料知識、救急知識、登山用語、登山技術や装備の知識、その他の登山知識)

などです。採点は100点満点で競われ、閉会式に点数が発表されます。私の学校は地区大会を突破することはありませんでしたが、成績とは関係なくみんな普通に山行を楽しんでいたようです。

当時の採点基準表

当時の採点基準の資料がありましたので、紹介します。採点基準のチェック項目は登山の基本中の基本が書かれていて、現在でも十分に通用する内容です→採点基準はこちらです。

 

国体予選山岳競技

国体にも登山競技があります。現在はルールが変わっているかも知れませんが、昭和61年に出場した時の資料をもとに説明します。

参加選手の種別は成年男子・女子、少年男子・女子の4つに分かれていて、競技種目は縦走競技(登山)、登攀競技(岩登り)、踏査競技(オリエンテーリング)の3つがあり、少年は登攀競技はありません。競技は2泊3日で行われます。

高体連に比べるとタイムトライアル的な要素が強く、急ぎ足で山を歩かなければならず、体力的にきつくて山を楽しんでいる余裕はまったくありませんでした。

私は少年男子の部に4人パーティーで出場しましたが、こんなスケジュールでした。

1日目 踏査競技

開会式~ザック計量(1人10kgに調整)~踏査競技出発~地形図上に複数あるポイント(標識)を探し、規定時間内にゴールする(地形図とコンパスのみ使用、高度計は禁止)

2日目 縦走競技

ザック計量(1人10kgに調整)~縦走コース出発~規定時間内に下山する~天気図作製、計画書、記録書提出

3日目 縦走競技

ザック計量(1人10kgに調整)~縦走コース出発~規定時間内に下山する~閉会式

 

採点方式は、縦走競技100点(技術50点、時間50点)、登攀競技100点(技術50点、時間50点)、踏査競技100点(踏査50点、時間50点)となっています。

各競技にはザックの重量が決まっていて、規定より軽いと強制的に砂袋をザックに入れられます。また、制限時間があり、時間点が50点と高く(高体連の採点基準は体力30点、その他の技術70点)、めちゃくちゃ体力があってスピードが早いパーティーが有利になります。上位を狙うパーティーは殺気立ち、スタートと同時に小走りで山を登っていました。私のパーティーはそんな強豪チームを見て唖然としていましたが、顧問の先生が「まあ、こういう競技スタイルもありますから・・」と言っていたのが印象的でした。

個人的には国体は一度経験すればいいのかなという感想です。

苦しくても楽しい登山とはまったく異質なのが国体の山岳競技です。

きつい大会でしたが、帰りにこんな参加賞をもらってご機嫌で帰りました。

 

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プロフィール



初登山は雌阿寒岳。

学生時代に山岳部リーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。

以来、北海道の山を舞台にオールシーズン単独行にこだわり続け30年。

現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのアマチュア登山者。



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