20Dec

初心者のための登山用語集211語(た~は行)
た行
た
・耐風姿勢
突風時に態勢を低くして体を飛ばされないようにすること。風上に向かって足を開きピッケルなどを正面に突いて3点で保持し、頭を低くする。
・高巻き
沢登りにおいて、正面に滝やゴルジュなどがあって通過困難な場合に岸の斜面を登って上流に出るルートをとることを「巻き」というが、高く巻く場合には高巻きという。
・ダブルストック
ノルディックウオーキングとも呼ばれ、クロスカントリースキー(歩くスキー)のように、ストックを両手に持って歩く歩行スタイル。
登山において足腰が弱い人にはシングルストックよりも有効であるが、ブッシュの多い登山道や巨岩帯では邪魔になることがある。
登山以外にも高齢者や病人がこの歩行法を応用している。
ち
・チーフリーダー
登山パーティーのリーダーのこと。
CLと表記する場合がある。
・地形図
国土地理院が発行している、等高線や地図記号が表記されている地図。登山では主として1/25000の縮尺のものを使用する。
・チロロハット
チロリアンハット。
登山の草創期に登山用の帽子として使用されていたフエルト生地のソフト帽。
細い飾りロープと鳥の羽根がついているものが多い。
つ
・ツアー登山
ツアー会社や山岳ガイドが企画した商業目的の登山。
百名山ブーム以降、爆発的に流行った。
・ツアーブーツ
兼用靴。山スキーの滑降用に作られた靴で、スキーブーツの底が登山靴のようになっていて、登山靴とスキーブーツの中間的な作りである。
冬山用登山靴と違い、長距離歩行には不向きである。
・ツエルト
ビバーク用の携帯簡易テント。
て
・出合
沢と沢の合流点のこと。
・偵察山行
ある山の登頂を目指す場合、ルートや地形の状況を調査する目的でする登山。
主に冬山を登る際、雪が降る前に調査目的で登る山行のことを言う。
・デイパック
日帰り登山用小型ザックのモデルのひとつで、雨蓋部分がなく、ファスナーが両開きになっているのが特徴。
・デブリ
雪崩が発生したあとに、雪崩れた雪が溜まった場所。
・テルモス
アウトドア用の金属製魔法瓶。従来の魔法瓶と違い、落としても割れないのが特徴。
現在では大小様々なものがあり、登山用以外でも広く使用されている。
と
・等高線
地形図に書かれた同じ標高の場所を結んだ線のこと。等高線の形によって地形を推測することができる。1/25000地形図では等高線の間隔は10mである。
・渡渉
橋などを渡らず沢の中を直接横断すること。
・トラバース
斜面を登らずに横切るルートをとる場合にトラバースするという。
・トレース
登山においては、歩いた足跡を辿ること。
・トレール
登山においては主に雪面にできたスキーなどの踏み跡のこと。
・トレールラン
野山をランニングするスポーツ。
主に走って登る登山スタイルをこのようにいうが、以前はランニング登山と言っていた。
・トレッキング
当初はヒマラヤなどの山麓を散歩することを意味していたが、日帰りの軽登山をこのようにいう場合もある。
・トレッキングシューズ
軽登山靴。メーカーによっては軽登山靴とトレッキングシューズを分けて呼ぶ場合もあるが、その場合、軽登山靴よりソフトな作りの登山靴をこう呼んでいる。
な行
な
・ナイフエッジ
ナイフリッジ。稜線の両側が急斜面か崖で、ナイフの刃のように狭い尾根道のこと。痩せ尾根でも特に鋭い尾根。
・なため
道しるべのために、木の幹や枝にナタで傷を入れた目印。
・雪崩
大きく分けて表層雪崩と全層雪崩があり、面発生型(板状)雪崩、点発生型雪崩などがある。
・雪崩ビーコン
雪崩で埋められた場合に場所がわかるよう信号を発信する機械。
雪崩危険地帯を通過する場合にスイッチをオンにし、万一雪崩に遭っても仲間がい場所を特定してくれる。
雪崩ビーコンによる捜索は訓練が必要である。
・ナップサック
サブザック(日帰り用小型ザック)の中でも特に薄い軽量のザック。背負いバンドがひも状のものを指す場合が多い。
・ナメ滝
沢床(沢底)が一枚岩になっている傾斜の緩い滝。
・ナメ床
ナメ滝の沢床のこと。
に
・ニッカズボン
ニッカボッカ。登山の草創期に登山者が着用していた、ウール製の七分ズボン。
・ニッカホース
主にニッカズボンを着用するときに履く厚手の長靴下。
ぬ
・布バケツ
ズックやビニールで出来た折りたためる小型バケツ。
幕営地と水場が離れている時に役立つ。
ね
・寝袋
シュラフ。ファミリーキャンプ用、夏山用、冬山用など種類が豊富。
の
・ノルディックウオーキング
ストックを両手に持ち(ダブルストック)、クロスカントリースキーのように歩く健康法のひとつ。
近年の登山ブーム以降、このスタイルの登山者が急増した。
足腰の弱い人が歩行する場合や、長距離行軍を行う場合は腰痛や疲労骨折防止に非常に有効である。
は行
は
・ハーケン
ロッククライミングの時に岩の隙間に打ち込み支点とする金具
・パーティー
複数人で登山する場合の最小単位の登山隊。通常は5、6人で構成されリーダーとサブリーダーを置く。
・ハードシェル
冬山用のアウター。いわゆるヤッケのこと。
・ハーネス
ザイルや金具で体を保持する場合に、自分の体に着けておく登山用の安全ベルト。
ハーネスがなければロープで座席結びをしても良い。
・パッキング
重量バランスなどを考えながら装備品を効率的にザックに詰める技術。
パッキングの良し悪しは歩行中の疲労度に影響する。
・バックパック
英語でザックやリュックサックをこう呼ぶ。
・花をつむ
女性が山で用をたすこと。
・飯盒(はんごう)
炊飯専用のキャンプ用食器。元は旧日本軍が行動中に使用していたもの。
現在の登山者はほとんど使用していない。
ひ
・非常食
ビバークなどの緊急時に加熱なしですぐに食べられる食料。
コンパクトで栄養価とカロリーが高いものなどがよい。
・ピストン縦走
縦走中に折り返して同じ登山口に下山すること。
・ピック
ピッケル上部の金属部分は長くて尖った部分と短くて平たい部分があるが、長くて尖った方をこう呼ぶ。
・ピッケル
雪山登山では、つえ、ザイルの支点、滑落停止、カッティング、グリセードなど様々な用途に使用する必須装備。
・ピッケルバンド
ピッケルを落とさないように着けておく、長いストラップ。
手首に着けるタイプ、たすき掛けに着けるタイプなどがある。
・ピッチ
登山中、休憩から休憩までの行動を1ピッチという。
通常の登山では1ピッチは1時間程度にする場合が多い。
・ビバーク
予定どおりの行動ができず、已む無く外で夜をあかす場合に、ツエルトなど有り合わせのものを使用し、緊急露営すること。
・ビブラム底
ビブラムソール。イタリアの靴底メーカー、ビブラム社が製造している登山靴のアウトソール(靴底)。
登山靴のアウトソールの代名詞となっている。
・百名山ハンティング
日本百名山の登頂だけを目的とする登山スタイル。
・氷食地形
氷河によって山肌が侵食された独特の山岳地形。国内では日本アルプス、日高山脈でみられる。
ふ
・封筒型シュラフ
ほとんどの登山用シュラフは芋虫のようなマミー型であるが、封筒型は縦長でファスナーを開けば、かけ布団のようにもなる。収納時はマミー型より大きいものが多い。
・風防
1 携帯コンロを野外で使用する場合に燃焼効率を高めるための風よけ。
手作り、既製品などがある。
2 マナスルストーブなどのバーナー部を覆う金属部品。
・ブッシュ
ヤブや潅木などが多く茂る歩きづらい場所。
・フライシート
テントの上を覆うシート。
フライシートがあることにより、雨がテントの縫い目などから侵入することを防ぐ。
・プラスチックブーツ
一時代前に流行したプラスチック製冬山用登山靴。
防寒性に優れているが、古い物はプラスチックの劣化で登山中に崩壊することがある。
・フリークライミング
自由登攀。ハーケンやカラビナなどの登攀用具を使用しないで体を確保しながら登るロッククライミングのこと。
・フリクション
靴底の摩擦力のこと。
・プリムス
ガス式携帯コンロのメーカー。
利用者が多い。
・ブレード
・ピッケル上部の金属部分は長くて尖った部分と短くて平たい部分があるが、平たい部分をこう呼ぶ。
・ブロッケン現象
稜線などで背後に太陽があり、前方に霧などの水蒸気がある場合に、霧に写った自分の影に虹色の後光がさして見える現象。
へ
・ベースキャンプ
極地法登山などを行う場合、根拠地となる大規模キャンプ。
・ベースレイヤー
肌着のこと。
・ペグ
テントを地面に固定するための杭。
登山では軽いアルミやプラスチック製が使用される。
・ヘッドランプ
頭に装着する電池式ヘッドライト。
・ベンチレーター
テントの壁についている開閉できる通気口。
ほ
・ホエーブス
オーストリアのメーカーが製造していた液体燃料系の携帯コンロでガソリンや灯油が使用できた。かつては多くの登山者が使用していたが、現在は製造されていない。
・ポール
1 テントを立てる時の柱や骨組み。アルミやグラスファイバー製が多い。
2 つえやストック、つえのこと。
・ホールド
ロッククライミングにおいて、岩などをつかんだりする時の手がかりのこと。
・歩荷(ぼっか)
重いザックを背負って歩く登山練習のひとつ。
・ポンチョ
頭からかぶり、体を上から覆うタイプの雨具。
通気性が良く、蒸れないことから、かつてはこれを使用している登山者もいた。