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元山岳部部長の登山講座

登山の服装選びの基本2

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今回は最新素材のウエアと既存のウエアなどを組み合わせ、

実際に登山でどんな重ね着(レイヤリング)が有効なのか?考えていきます。

はじめに、近年出ている登山の服装の状況について簡単に書きたいと思います。

(前回記事「登山の服装選びの基本1」はこちらから。)

 

肌着(ベースレイヤー)について

肌着

10年以上前までポリエステルのメッシュのTシャツを肌着として着ている人が多かったように思います。

現在は吸水、速乾、保温性を持たせたポリエステルのベースレイヤーが主流で各社から出ています。

例えばモンベルでいえばジオラインやウイックロンというシリーズがあります。

ベースレイヤーといっても本当に肌着としてしか着れないような薄さやデザインの物もあれば、Tシャツとして着れるようなものもあります。

厚さはだいたい3種類くらいに分かれていて真夏から厳冬期用まで選べるようになっています。

冬山など寒い時期専用のものとしてはメリノウールという温かい肌着もあります。

メリノウールも厚さが3種類くらいに分かれています。

ウールはポリエステルに比べ速乾性がやや劣りますが、保温性、防臭性は勝っています。

このほか、シルク製の肌着もあり、吸水、速乾、防臭性に優れています。

価格はポリエステルなどの化繊にくらべるとウールやシルクなどの天然繊維は割高です。

 

中間着(ミッドレイヤー)について

ポリエステル製が主流です。

やはり吸水、速乾、保温性を持たせており、厚さが様々で、真夏~厳冬期用まで選べます。

形は前開きタイプのフリースが多く、ほかにラガーシャツタイプやチェック柄の山シャツなど多様です。

昔ながらのウール製の中間着も姿を消したわけではなく、保温性や防臭性はポリエステルより優れています。

 

上着(アウター)について

いわゆるナイロン製のヤッケ、ウインドブレーカーの類のものです。

最近では夏山にゴアテックス製のカッパをアウターと兼用する人が多いようです。

カッパとは別にアウターを持たなくてもよいので、ザックの重量軽減にもなります。

ゴアテックスのカッパは厳冬期の冬山ではアウターとしては薄いので、冬山にはゴアテックス製「ハードシェル」を着用するのが主流です。

アウターといえば、「ソフトシェル」といわれるものが多く出まわるようになりました。

ソフトシェルとは防風、防寒性を持たせたアウター、防水性はありません。

ソフトシェルは厚さ、デザインなど多様でわかりづらく、パーカーのようなものや、フリースのようなものなどがあり、アウターとしてだけではなく、中間着としても使えるものもあります。

このソフトシェルというものは近年登場したジャンルで、既存の山の服でレイヤリングが出来上がっている人には少々取り入れづらい印象があります。

私もこのジャンルにはまだ手を出していませんが、それぞれの商品の特性をよく見極めた上でレイヤリングすれば快適に着こなせそうです。

登山においてアウターの役目は風から身を守ることです。

登山用ではない普通のヤッケやウインドブレーカーでも全然ありだと思います。

夏山であっても必ず防寒用のフリースを持って行きます。

寒ければ中間着の上にフリースを着ますがそれだけでは風を通すので、一番外側に着るアウターは風を通さないことに意味があります。

 

レイヤリングの例~レイヤリングは人それぞれ

レイヤリングの例として、現在の私のレイヤリングについて紹介します。

一番悩むのはベースレイヤーです。

大量にかく汗とどう付き合うのか。

暑い時には涼しく、寒い時には温かくは相反することで、研究に終わりはありません。

本当は各メーカーの商品を全部試せば良いのですが予算には限りがあります。

夏のベースレイヤー

最近まで夏のベースレイヤーは7年ほど前に購入したフェニックスのデオシームという防臭性の優れた速乾メッシュTシャツを着ていましたが、汗冷えが気になるので最近モンベルのジオラインL.Wという肌着に切り替えました。

ジオラインL.Wは見た目は薄くて若干透けていますが、ある程度保温性があり、濡れに対して保温性のないメッシュTシャツをベースに着るより汗冷えには有効です。

敢えて難点があると言えばデザイン的に肌着なので、暑い時にミッドレイヤーを脱げないことだと思います。

(脱いでいけないことはありませんが透けるし、シャツの上から蚊に刺されるでしょう)

私はすり傷や虫さされ防止の観点から基本的にTシャツ1枚になることは少ないのですが、同じくモンベルからウイックロンZEOという吸汗Tシャツが出ています。この商品、真夏でなければベースレイヤーやTシャツがわりとして便利そうです。

 

冬のベースレイヤー

冬のベースレイヤーについてはモンベルのスーパーメリノウールの中厚手(上下)を着ています。

ウールは化繊のものより速乾性が劣りますのでメリノウールの下にモンベルのスペリオルシルクL.Wという薄い肌着を着用してみました。

シルクは吸水、速乾、防臭性が優れていて、今のところはまずまず快適なのかなと思っています。

ジオラインのベースレイヤー、M.W(中厚手)やEXP(厚手)と比べて速乾性と保温性がどうなのか気になるところです。

ミッドレイヤー

ミッドレイヤーは私が登山を始めた時からずっとウールのカッターシャツ(山シャツ)を着用していて、特に不自由を感じたことがないので今でもウール製カッターシャツを愛用しています。

真夏はポリエステル製のウイックロンのカッターシャツも着ていますが薄手のウール製カッターシャツと機能的に大差はありません。

ウイックロンの方がウールに比べ若干ごわつく感じなのでウールのほうが好みです。

(ウールは値段的に割高です)

積雪期と夏以外の時期はそれぞれ厚手と中厚手のウール製カッターシャツを着ています。

アウター

積雪期以外のアウターについて、以前はヤッケを持ち歩いていましたが、ゴアテックスのカッパを買ってからはアウターとカッパを兼用にしています。

それと、ユニクロのジャンパーで表面は防風性のあるナイロン生地で裏地がフリースになっているものをアウター兼防寒用フリースとして持ち歩いています。

薄いヤッケとフリースを一緒に着ているのと同じ感じで、とても温かく、大休止での汗冷え防止に重宝しています。

冬山はゴアッテックスのハードシェルを着用しています。

冬山用のアウターは分厚いスキーウエア―やアノラックのように、中綿が入っていて、もこもこしたものは歩行中に大汗をかきますので適しません。

ただし、厳冬期にアウターとは別に防寒用としてダウンジャケットを持って行くことは有効です。

ゴアッテックスのハードシェルを購入するまでは、裏地のついた厚手のヤッケを着用したり、スノボー用のウエアを使ってみたりしましたが、防水性がないので、撥水スプレーをたっぷりかけて使用していました。

今や冬山用のアウターはゴアテックスが常識となり、凍ってガリガリになったヤッケを着ることもなく、ずいぶんと快適になりました。

(防水、透湿性のある生地はゴアテックスだけではなくドライテック、ベルグテック、イーベントなど複数あります)

ドライレイヤー

汗冷え対策として、ベースレイヤーの下に着る、ドライレイヤーというシャツの人気が急速に高まってきました。

ミレーやファイントラックのものが有名です。

この記事を書いたあとに、購入してみましたが夏山でも冬山でも汗冷え対策に大変効果があります。

ドライレイヤーは吸水性の良いベースレイヤーと合わせることが重要です。

ドライレイヤーに関しての詳しいことは「汗冷え対策。ミレーとファイントラックを比較!」を読んでみて下さい。

まとめ

登山の服装について概略を書きましたが、

例えば初めての登山で夏山の低山に登る時、具体的に何を着れば良いのかについては、

登山用品店などにいる登山経験のある店員さんに聞いたり、経験者と一緒に選ぶのが良い方法です。

が、家にあるもので、化繊のTシャツに薄手のフリースやジャージでもとりあえずいいんじゃないかと思います。

ズボンは余裕のあるものか伸縮性があるものでなければ膝の動きが制限されて登山には向きません。

そして木綿製の衣類は避けて下さい。

ジャージについては賛否があって、昔からジャージは登山に適さないと言われつつもジャージ登山者は必ずいました。

ジャージが良くないと言われる理由は防風性がなくて寒いからだと聞いています。

確かにそう思いますが、逆に言えば通気性がよく伸縮性もあるのでレイヤリングでカバーすればジャージは有りなんじゃないかと思います。

問題はどんな服装にしても、汗冷えしないように、ザックにフリースなどの防寒服、ウインドブレーカーなどの防風性のある服、雨ガッパ(上下)、場合によってはTシャツの着替えなどを用意すれば調整が可能です。

一度登ってみればウエアの不都合もわかりますので、レイヤリングも見直すし、高機能な登山用ウエアがほしくなってくるものです。

例にモンベル製が多く登場しますが、モンベルは他の登山服メーカーよりやや割安な場合が多いといえます。

予算に余裕があれば色々なメーカーから選びたいところです。

看板(下)

平成28年7月



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プロフィール



初登山は雌阿寒岳。

学生時代に山岳部リーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。

以来、北海道の山を舞台にオールシーズン単独行にこだわり続け30年。

現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのアマチュア登山者。



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