15Mar
登山とマナー2
登山人口の増加に伴って、基本的な山のマナーを知らない登山者を多く見かけるようになりました。
人口が集中する場所では、マナーの良い人や、そうではない人など、多様な登山者がおります。
前回は、挨拶や登山道の譲り方など、山での習慣やトイレ問題について紹介しましたが、今回は登山中に気になったものを何点か追加したいと思います。(前回記事については「登山とマナー」を読んでみて下さい。)
登山者あれこれ
ラジオの音量がかなり大きい登山者
登山中にラジオを聞くとすれば、気象情報の収集か、熊よけのためにラジオをつけて歩いている場合があります。
ラジオは登山装備の一つなので、登山にラジオを持って行くこと自体は良いことです。
しかし、登山中、けっこうな音量でラジオをつけっ放しにしている登山者が時折います。
熊よけか、ラジオを聞きながら登山をしたいのかのどちらかだと思いますが、山頂など、複数の登山者が休憩している場所でも大きめの音量でずっとラジオをつけている登山者を何度か見かけました。
静かに山の景色を眺めながら休憩している登山者からすると、違和感を覚える場合が多いと思います。
ラジオを鳴らすこと自体がマナー違反ではありませんが、休憩ポイントなど、人が多く集まるところでは音量に気をつけ、特に必要でもない場合は、ラジオをつけっ放しにしない方が良いと思います。
筆者は熊よけや、気象情報の収集のために歩行中、一時的にラジオを使用することがありますが、携帯型AMラジオは受信感度によって音が急に大きくなったり、小さくなったり安定しませんので、どうしても音量ダイヤルは大きめに設定してしまいます。
熊よけに関して言えば、音量が大きすぎると、かえって熊が歩く音などが聞こえづらくなりますので、ラジオのつけっ放しは、四囲の状況に対して注意力を欠くことになりかねません。
適当な熊鈴をつけたり、要所要所でホイッスルを吹いたりすることで対処したほうが有効なのではないかと思います。
幕営地でも一定の気づかい
・話し声とラジオの音
テントは、ただの布なので、かなり離れた場所のテントからも話声やラジオの音がはっきり聞こえてきます。
人の心理として、テントに入ってしまえば、プライベートな空間になるので、話声もそんなに聞こえないと思い込んでしまうものです。
しかし、テントは布で覆っているだけなので、何も遮蔽物のない空間でおしゃべりをしているのと、ほとんど変わりませんから、小さい声でしゃべらなければ、ほかのテントにいる登山者に内容が全部まる聞こえになります。
内容が聞こえてしまう分には本人が恥ずかしいだけで終わりますが、ほかの登山者の就寝後から起床時間帯までの間は静粛にしなければなりせん。
・深夜の電子機器のビープ音
幕営地の音の問題として、こんなこともありました。
デジカメの進化により、誰でも気軽に夜景や天体写真が取れるような機種が登場したのはうれしいことなのですが、幕営地において、深夜、星を撮影している登山者がカメラのビープ音をONにしたまま長時間、撮影しているということがありました。
「ピピッ」という電子音は、音自体は大きくないのですが、深夜に隣接したテントから何度も聞こえる、意外に耳障りで、安眠出来なくなります。
風や沢の音では眠れるのに、なぜかこういう機械音は耳につくものです。
テン場ではビープ音をOFFにするなどの気遣いがあっても良いと思います。
・ヘッドランプの光量とライトの向きに注意
また、夜間、トイレに行く場合や、早朝の炊事などの時には、ヘッドランプを点灯しますが、他人のテントをもろに照射してしまうと、テント中は一瞬明るくなり、このようなことが頻発すると、テントの中の人は安眠することができなくなります。
特に、最近ではヘッドランプが必要以上にハイパワー化しており、従来では考えられないほどライトが強力になっていますので、必要以外はヘッドランプの光量を絞った上で、他者を照射しないよう、ライトの向きは下向きにするなどの気遣いが必要だと思います。
・注意していても引っ掛けてしまうテントの張り綱
このほか、他人のテントの至近距離を歩くと、張り綱に足を引っ掛けることがあり、本人が危険なばかりか、足を引っ掛けられた側のテントの中では、すごい音と衝撃がします。
テントサイトを歩く場合は、足元に気をつけ、なるべくテントの近くを避けて歩くとともに、夜間などは、なるべく大きな足音を立てないように歩くなどの配慮が必要だと思います。
集団心理がはたらくツアー団体
昨年、羊蹄山に行った時のこと、頂上直下では筆者を含め、多くの個人の登山者が通り道を避けて、岩場で昼食を取っていました。
そこに、数十人のツアー団体が到着し、山頂で記念写真を撮りましょうと添乗員が号令を出したところ、団体さんの数十人は、静かに昼食を取っている個人の登山者達を避けることなく、そのすぐ脇を一斉に通過し始めました。
わざわざ通り道を避けて昼食を取っていた個人の登山者達は、迷惑そうにして、団体を避けるようにみんなその場を移動してしまいました。
このツアー団体は、50人程度の中高年登山者ばかりの団体で添乗員はたった1人でした。
これでは参加者達の統制が取れるはずもなく、登山パーティーとは言い難い状況でした。
このようなツアー登山では、集団心理が働き、ほかの登山者の迷惑を感じなくなってしまう場合があろうかと思いますが、主催者には団体を統制できるような添乗員を配置するよう配慮をしてほしいと思います。
タバコを吸う登山者
休憩中、おいしそうに煙草を吸っている登山者がいます。
喫煙者にとって、空気のきれいな山で煙草を吸うのはとっても煙草がおいしく感じるそうです。
喫煙自体は自由ですが、せっかくきれいな空気や山の香りを満喫している、煙草を吸わない登山者から見れば異臭でしかありません。
喫煙はほかの登山者の風下で行うなどの配慮が必要な場合もあるでしょう。
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