13May
登山パーティーは何人?パーティー分担と役割
複数で登山をする場合、隊列の順序や役割分担には一定のルールがあります。
ルールというよりは、登山の長い歴史の中で、ひとつの形になっていったのではないかと思います。
今回は、登山パーティーの構成について紹介します。
登山パーティーには「リーダー」が必ずいる
気軽に行ける山ほど、お友達同士のパーティーをよく見かけます。
何事もなく楽しく下山できれば、それでも良いのかもしれませんが、「お友達同士=リーダー不在」のパーティーでは、責任のある誰かがパーティーを統制し、安全を確保するよう気を配っているわけではないので、アクシデントが発生した場合、対処が難しくなることがあります。
2名以上で登山をする場合は、経験の豊富な者がリーダーとなって、下山するまでリーダーがパーティーを統制し、メンバーはリーダーの指示に従うのが基本です。
リーダーは体力と実力があって、パーティーの安全を確保できるだけの知識や技術を身につけていなければ、メンバーからの信頼は得られません。
リーダーが誰なのかよくわからないようなグループに入って登山をする場合は、自分の実力以上の山には行かないようにするのが良いと思います。
パーティーの構成と役割
登山パーティーにはリーダーを1人置きます。
メンバーの中にリーダーと同等レベルの実力者がいれば、その者をサブリーダーとします。
1人のリーダーで掌握できる人数は、多くても5名程度ですので、1パーティーは最大6名前後ということになります。
それ以上の人数で登山をする場合は、パーティーを複数に分けて、それぞれにリーダーを置きます。
この場合、複数のパーティーを総括する全体のリーダーを1人置きます。
リーダーの役割は、山行計画、装備、メンバー構成、役割分担、気象判断、メンバーの体調管理、アクシデント発生時の対処、登山の中止や下山の判断など、パーティーに対するすべての責任を負います。
サブリーダーの役割は、ルートハンティングや歩行のペース配分など、主に実働面でリーダーを補佐する役割を果たします。
パーティーのメンバーは、思考停止に陥らず、リーダーに対して自由に意見すべきですが、登山中はリーダーが最終的に決めたことには絶対に従う必要があります。
パーティーの構成と役割は、概ねこのようになっています。
リーダーは権限も責任も非常に大きいので、大きなアクシデントが発生した場合には、リーダーは間違いなく社会責任を問われることになります。
隊列の順序と役割
隊列の順序には特別な決まりはありませんが、どこの山岳会でも山岳部でも伝統的に同じような隊列と役割分担をしています。
5人パーティーだとして例を上げると、先頭から
- 先頭 サブリーダー
- 2番目 1番体力がないメンバー
- 3番目 2番目に体力があるメンバー
- 4番目 1番体力があるメンバー
- 最後尾 リーダー
の順に歩きます。
それぞれの役割ですが、先頭のサブリーダーは、ルートハンティングとペース配分、登山道の危険個所を後ろのメンバーに伝達するなどをしながら、1番体力のない者にペースを合わせながら歩きます。
最後尾のリーダーはメンバー各員の疲労度、歩くペース、休憩のタイミングなど、全体を掌握しながら落伍者が出ないよう指示を出します。
リーダーはメンバーの疲労度を見ながら隊列の順序を変えたり、また、メンバーに練習のためにルートハンティングをさせたりすることなどもあります。
メンバーはリーダーの指示に従いますが、体調が悪い時などには我慢せずに申告しなければなりません。
なぜ、この順序なのかについては、自分が隊列の中に入るとよくわかるのですが、先頭がサブリーダーである理由は、先頭は道や標識を探したり、その他の危険を察知しながら歩かなければならなく、ストレスがかかりますので、体力があって、ルートハンティングや危険予知などに対して能力のある者が適しているからです。
なので、先頭はリーダーでもかまいませんが、リーダーはメンバー全員の様子がリアルに見える最後尾の方が良いので、先頭はサブリーダーということになります。
リーダーが最後尾である理由は、パーティー全体を掌握し、指示を出すのは、最後尾が適しており、また、隊列は後ろの人ほど他人のペースで歩かなければならず、体力を消耗しますので、最後尾は最も体力のあるリーダーが適しているからです。
最も体力がないメンバーが2番目を歩く理由は、歩き慣れた先頭のサブリーダーが、体力のない2番目の人のために、ペースや足の置き場など、気を使いながら歩きますので、2番目の人はサブリーダーについて行けば良く、ストレスがかからないからです。
3番目や4番目は隊列の中間なので、自分のペースで歩くことができず、また、後ろの人ほど前方の状況も見えづらくストレスがかかりますので、後ろになるほど体力のある者を配置します。
まとめ
複数で登山をする場合は、信頼のおけるリーダーがいるパーティーで行動するのが良いと思います。
パーティーで行動する時は、相互に意思疎通ができるよう、隊列はコンパクトにし、間延びしないようにします。
パーティーは少人数でなければ統制が取れませんので、1パーティーは6名程度までにします。
ツアー登山などの団体では、リーダー1名で数十人を引率している例を多く見かけます。
このような団体では、体力のない者、登山に不慣れな者は、細やかな気配りをされない可能性が高くなりますので、参加には注意が必要です。
パーティーの安全は、すべてリーダーの力量にかかっています。
より安全性の高い登山を行うためには、経験豊富で信頼のおけるリーダーがいるパーティーに参加することが大切です。
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