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元山岳部部長の登山講座

0からはじめる登山。初心者のための簡単マニュアル(準備編)

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0からはじめる登山。初心者のための簡単マニュアル(準備編)

興味がある。でもきっかけがない。

中高年になってから急に登山に興味を持ち始める人、マンガやアニメを見て登山をしてみたくなる人、でもなんだか一歩踏み出せない。

そんな潜在的な登山ファンは結構多いのではないでしょうか?

ここでは、そんな人たちが一歩を踏み出すためのナビゲートを中心に書いていきます。

 

一般的に初級者向けと言われている山に挑戦する

まずは、初夏~秋までの時期におおむね標高差500m未満、歩行時間3時間程度の一般的に初級者向けと言われている山をはじめて登ることを想定して書き進めていきます。

ヒント1:標高差とは登山口の標高(海抜)と山頂の標高との差をいいます。

体力的な厳しさは単純に山頂の標高ではありません。

標高が2000mの山でも登山口が1800mだと200mしか登りません。

逆に標高が1000mの低い山で、大したことないなあ・・なんて思っていても登山口の標高が1mだったら、まともに1000m登ることになり、体力的には中級クラスの山になります。

ヒント2:山の斜度、登山道の道のりの長さにもよりますが、一般的に人は1時間に標高300m登れると言います。

標高差がわかれば、何時間で山頂に着けるかがだいたいわかりますね。

もちろん人によっては1時間に標高500m以上登れる人もいます。

自分の能力を知るうえで登山後はコースタイムを記録しておきましょう。

また、下山についてはこれも斜度や道のりの長さにもよりますが、一般的に登りにかかった時間の2/3程度になります。

例えば標高差600mの山に登ったら、コースタイムは登り2時間、下り1時間20分、合計3時間20分見れば下山できるということになります。

参考までに1時間に標高300mを登るペースというのは、一般的にかなりゆっくり目なペースです。

 

準備編1 柔軟体操と階段の1段抜かし

まず、体力が心配だと思います。

しかし、高齢者も登山をしているので、そんなに心配はいりません。

山岳遭難統計によれば、登山者の約半数は60代以上です。

もちろん、心肺機能と脚力の強化は重要なので、ランニングや競歩、神社の石段を登る、スクワットなどをできる人はやった方がいいでしょう。

しかし、こういうと登山のハードルはどんどん高くなります。

トレーニングができない人は柔軟体操をして下さい。

実はほかのスポーツもそうですが、柔軟性はとっても重要で、筋力が少ない人でも体が柔軟であることによってパフォーマンスを補えることがたくさんあります。

体力がないのであれば、柔軟体操、ストレッチ(できればヨガがいいのですが)を行いましょう。

体が軟くなれば、本来バテるところでもスタミナが持続しますし、転倒などのアクシデントがあっても体の硬い人よりは軽傷ですみます。

登山は登るとわかりますが、意外にも全身運動なのです。

下山した翌日、変なところが筋肉痛になっていたりするものです。

上半身も下半身も体にあるすべての関節の可動域は普段から動かすようにしましょう。

柔軟をやめてしまうと、もとに戻ってしまいますので毎日じゃなくてもいいので、体が硬くならないよう、定期的な柔軟運動の習慣をつけて下さい。

柔軟性は代謝も上がりますし、腰痛や五十肩の予防にも役立ちます。

山ガール、山ボーイを目指している若い人は、柔軟性は最初からあると思います。

そのような人ならランニングを中心にトレーニングしていくことが良いでしょう。

それから、普段からできることとして、階段は登りも、下りも1段抜かしで歩く習慣をつけることで、登山中にバランスを崩しにくくなりますし、下半身強化にもなります。

エレベーター、エスカレーターを使わないのが登山者への第一歩です。

 

準備編2 山仲間をさがす?

登山に興味があっても一歩踏み出せない理由に、自分の親しい知り合いに登山をする人がいない、とういうのが大きいのではないかと思います。
かといって、社会人山岳会に入るのは敷居が高いとか。

個人で参加できる登山ツアーが大人気の理由はそこにあると思います。

初登山は登山ツアーでもかまいませんが、中には優良ではない業者もあります。

社会人山岳会や大手登山用品店などが主催する登山会に参加するという手もあります。

このような登山会は確実に実力のある人達が主催していますので安心、安全だと思います。

自治体が主催する山開き登山会なんかもよく耳にしますが、大抵は地元山岳会がサポートしていますので安心です。

10代の人なら山岳部に入りましょう。

高校に山岳部があるのなら高校生から始めるのが1番です。(私もそのひとりでした)

一度身についた登山技術はなくなりませんので、途中で登山から離れてしまったとしても、いつでも復活できるものです。

このように実力のある組織のもとでしっかり基礎を学ぶのが一番のおすすめなので、山岳会や山岳部に入りたいと考えているのなら、この時点で以下の記事が読まずに入会、入部して山の先輩達に直接指導を受けましょう。

ここでは、登山ツアーや、一般公募登山会、知り合いの登山経験者に連れて行ってもらう、あるいは、自力で登山をしてみたい方々を対象に最低限必要なことについて進めていきます。

 

準備編3 装備~ザック、登山靴、服装、持ち物を用意する

登山をするためには、ザック(リュック)、登山靴(トレッキングシューズ)、適した服装、各種持ち物が必要になります。

財力があれば、頭のてっぺんから足の先まですべて登山メーカーが出している登山用品を最初からそろえるのも有りでしょう。

それはそれとして、登山専用ではないものでも登山に代用できるものもあります。

登山回数とともに、代用品で物足りなさを感じてきたら、徐々に登山用品を買い足して、装備を充実していくのが現実的ではないかと思います。

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丈夫な作りの登山用ザックの背負いバンド

 

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縫製が弱い汎用リュックの背負いバンド

矢印部分がちぎれかけていますが、リュックはこの部分が命。

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丈夫でなめらかな登山用ザックのファスナー

 

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貧弱で弱そうな汎用リュックのファスナー

 

ザック

家に、20~30リッター程度のリュックサック、デイパックはありませんか?

よく、中高生なんかが通学に背負っているのを目にします。

たぶん、登山用ではないと思いますが、ずしりとした教科書を入れても強度に問題がないのですから、登山にも使えると思います。

連泊の縦走登山などの特殊な場合を除き、登山では必要な装備をザックに詰めると、多くても10kg程度ですのでよほどの粗悪品じゃない限り登山には使用できます。

登山用ザックと、そうでないものの違いはズバリ強度です。

登山用のものは相当荒く使用しても10年以上は軽く使えます。

私のザックは20年使っていますが汚れはあるけれど、どこも痛んでいません。

まだまだ使えます。

一方、登山用ではない汎用品のリュックは生地自体も薄く、長く使用していると、背負いバンドとリュックの上部の縫い目がほつれてきたり、ファスナーが壊れたりします。(写真参照)

はじめのうちは汎用品でもかまいませんが、登山頻度が上がれば登山用のしっかりしたものを買えば半永久的に使えますので安上がりになると思います。

大きさは20~30リッター程度が使いやすいでしょう。

40リッターだとやや大きいですが、日帰り登山にも使えますし、寝袋も入りますので、山小屋1泊程度の登山にも対応できます。

登山用ザックは作りがしっかりしている以外にも体へフィットさせるための調整ベルトもついていたり、メーカーによって様々な工夫がされています。

ザックについての詳細は「ザック選びの基本1」「ザック選びの基本2」に詳しく掲載しています。

 

登山靴

登山にとって靴は最も重要な要素のひとつです。

登山中に靴ずれがひどくなると、楽しい登山どころか痛みの我慢大会となってしまいます。

はじめての登山で使用する靴は、運動靴でもトレッキングシューズ(軽登山靴)でも重登山靴でもかまいませんが、問題は自分の足にぴったり合った、履きなれたものでなければいけません。

ですので、登山靴がないという人はランニングシューズなどの運動靴でよく足に馴染んだものでもいいでしょう。

ただ、運動靴を使用する場合は登山靴と違って地面に対するグリップが弱く、滑りやすいので注意が必要です。

また運動靴を登山に使用すると再生不能なほど汚れてしまったり、擦れたりしますのでお気に入りのものは使用しない方が良いでしょう。

登山を続けるのならいずれ必ずトレッキングシューズや重登山靴を購入することになります。

登山靴を購入した場合は、いきなり本番には使用しないで下さい。

必ず慣らしが必要ですので、履いてウオーキングをする、走ってみるなどして違和感がないかどうか何度もチェックしましょう。

足に少しでも違和感を感じたら、登山中にその場所が靴ずれを起こす可能性があります。

その場合は靴ずれ対策をして登山に臨むことになります。

登山靴選びについてもっと知りたい方は「靴選びの基本1」「靴選びの基本2」「登山靴の種類」「登山の靴ずれ対策」に書きましたのでそちらを参考にして下さい。

次回は準備偏3の続き、服装と持ち物について進めていきます。

看板(下)

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プロフィール



初登山は雌阿寒岳。

学生時代に山岳部リーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。

以来、北海道の山を舞台にオールシーズン単独行にこだわり続け30年。

現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのアマチュア登山者。



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