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元山岳部部長の登山講座

登山の靴ずれ対策!~かかとの靴ずれ最強アイテム

登山の靴ずれ対策!~かかとの靴ずれ最強アイテム

登山中の靴ずれは非常につらく、あまりに酷いと登山そのものが嫌になってしまいます。

中でもかかとの靴ずれの酷いものは、とてつもなく耐えがたいものです。

今回は、かかとの靴ずれに焦点をおいて詳しい対処法を説明します。




かかとの靴ずれ対策のいろいろ

かかとの靴ずれは靴のサイズや形が足とマッチしていないために起こります。

根本的な解決法は靴を買い直す事しかありませんが、

  • 中敷きを替える(中敷きの形、厚み、クッション性で靴の中で足が踊らなくなることがある)
  • 靴下の枚数や厚みを替える
  • 靴ひもの締め具合を調整する(きつく締める、あるいはフックを1段か2段残して、一番上までひもを締めないなど)
  • 履いているうちに、靴が足の形に合ってくる

などで、幾分は良くなることもありますので、まずは上記を考慮して工夫してみます。

それでもダメな時は?

・ワセリンを塗る

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かかとの靴ずれは、かかとと靴が摩擦し、皮膚が損傷するために起こります。

そこで、摩擦を減らすために、かかとにワセリンを塗る方法があります。

これで、靴ずれが起こりにくくなる場合があります。

ワセリン法の弱点ですが、ワセリンを塗っても靴ずれが起きてしまった場合、ワセリンのせいでテーピングやバンソーコがくっ付かない、貼ってもすぐに剥がれるということがありますので、そのあたりをよく考えて塗らなければなりません。

・皮膚保護剤を塗る

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こちらは、スポーツ用の保護クリームです。

靴ずれはもちろん、スポーツ中の股ずれ、脇など、あらゆるスポーツの場面で皮膚を摩擦から保護します。

プロテクトJ1は、ワセリンのようにべとつきがなく、角質に浸透して皮膚を保護します。

ワセリンより持続性があり、これで靴ずれが解消する場合もあります。

・テーピングテープを貼る


アマゾン ニチバン バトルウィンテーピングテープ25mm幅12m
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テーピングテープをかかとに貼ります。

テーピングテープには大きさがありますが、幅広サイズのテープを一枚張るよりも、25mm幅程度のものを何枚も重ね貼りする方が剥がれづらくなります。

テーピングテープを貼る時は、必ず皮膚が乾いている時に貼らなければいけません。

汗ばんでいたり、皮膚が潤っている時にテープを貼ると、登山中にすぐ剥がれてしまいます。

テーピングテープは、必ず出発前の皮膚が乾燥している時にしっかりと貼ります。

貼り方ですが、靴ずれを起こす場所を中心に、やや広めに貼るのがコツです。

テーピングテープは粘着力がそこそこ強いので、かかとが擦れてもテープが擦れるだけで、テープと皮膚は一体化していますので、皮膚は損傷しません。

キズ用の救急バンソーコを貼るという方法もあり、これで靴ずれが改善する場合もありますが、キズ用の救急バンソーコは、テーピングテープより粘着力が弱いので、長持ちはしません。

それでもダメな場合の最強アイテム

・バンドエイド マメ・靴ずれブロックを貼る

アマゾン バンドエイド マメ・靴ずれブロック レギュラーサイズ5枚
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バンドエイドから「マメ・靴ずれブロック」という靴ずれ専用の保護パッドが販売されています。

この商品は昔「コンピード」(デンマーク製)と呼ばれていたもので、その後、バンドエイドのブランドとして出されるようになりました。(R1年現在、ハンガリー製に変更され、コンピードのロゴはなくなりましたが、粘着力に変わりはありません。)

マメ・靴ずれブロックは、粘着力がテーピングテープとは比較にならないほど強力で、登山靴の中がずぶ濡れにでもならない限り、一日程度の行動で剥がれてしまうようなことはありません。

しかも、表面がつるつるしていますので、靴下などとの摩擦が少なくなります。

マメ・靴ずれブロックにはサイズがありますが、かかとには「レギュラーサイズ」が適しています。

注意ですが、テーピングテープの時と同じで、皮膚が汗ばんでいたり、潤っていると剥がれてきますので、出発前の皮膚が乾燥している時にしっかりと貼りつけるのがコツです。

筆者は、足に合わない革製重登山靴履いていた時に、何を試しても改善しない、酷いかかとの靴ずれで苦しんでいましたが、「マメ・靴ずれブロック」に出会ってから靴ずれはなくなりました。

マメ・靴ずれブロックは、現在のところ、登山の靴ずれ対策の、最強アイテムのひとつに間違いないと思います。

何をやっても靴ずれが起きてしまう方は、一度試して見ると良いと思います。

なお、同じバンドエイドから「キズパワーパッド」という商品が出ています。

キズパワーパッドの見た目は「マメ・靴ずれブロック」によく似ていますが、用途が違います。

キズパワーパッドは靴ずれ防止用の保護パッドではなく、靴ずれが起きてしまった後の傷口に貼る、防水バンソーコです。

靴ずれ防止用としても使用はできますが、「マメ・靴ずれブロック」に比べると粘着力が弱いので、靴ずれがひどい場合は、下山までに剥がれてきたりします。

購入の際は間違わないよう注意しましょう。

マメ・靴ずれブロック(左)とキズパワーパッド(右)

 

マメ・靴ずれブロックの貼り方

マメ・靴ずれブロックは粘着力が強いので、単体で貼っても剥がれてしまうことはほどんとありませんが、長時間歩行ではフチから徐々に剥がれてくる場合があります。

まめ・靴ずれブロックを単体で貼る。

これを防止するのには、下の写真のように、マメ・靴ずれブロックをかかとに貼った上から、テーピングテープを覆うようにを貼りつけます。

長時間の場合はテーピングで補強。

こうすることで、相当過酷な状態でも1日中剥がれずにかかとを守ります。

マメ・靴ずれブロックの粘着力は、概ね1~2日程度持続しますが、連泊登山の場合は、毎朝貼り替えた方が良いと思います。

次回は「小指の靴ずれ対策」について説明します。






プロフィール

フリーランサー。元船員(航海士)
学生時代に山岳部チーフリーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。
以来、北海道の山をオールシーズン、単独行にこだわり続け35年。
現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのライター。

※他サイトにおいて元山岳部部長を名乗る個人・団体が存在しますが、それらは当サイトとは一切関係ありませんのでご了承ください。



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