登山と腰痛~体幹トレーニングで腰痛を治す!
最近腰が痛くて、登山がつらいという人、いくら筋トレをしても腹筋や足腰を鍛えても、長丁場の登山では腰痛が起きてしまうという人がいます。
腰が痛いと、昔は登れた山も諦めてしまうようなこともあるでしょう。
しかし、もう一度登りたいと思う気持ちがあれば、トレーニング次第では復活できる場合があります。
今回は筆者が実際に腰痛を克服し、再びハードな登山に復帰した時のトレーニング方法について説明していきます。
腹筋背筋が衰えているから腰痛?鍛えても治らない理由
ハードな登山は腰に負担がかかります。
登山をしているうちに腰痛が出てしまった人はけっこういると思います。
筆者は登山のやりすぎで腰にヘルニアを起こし、腹筋背筋を鍛えることで一旦は克服したものの、滑落事故がきっかけで筋力が低下し、腰痛が再発。
腹筋や背筋を強化した結果、腰痛はある程度緩和しましたが、ハードな登山の後半戦では、激しい腰痛にみまわれるようになりました。
「腰痛=腹筋と背筋が弱っている=腹筋、背筋運動をする」というようなことが言われています。
これは間違ってはいませんが、いくら腹筋背筋を鍛えても腰痛が出てくることがあります。
その場合、隠れた筋肉(インナーマッスル)が弱ってしまっている場合が考えられます。
体表面の筋肉を鍛えても限界があり、深層部分の筋肉を鍛えることによって、腰痛が改善する可能性があります。
腰痛には体幹トレーニングで対処
お腹まわりを中心とした胴体のことを体幹といいます。
「体幹=インナーマッスル」と連想する場合があると思いますが、体幹は、胴体のアウターマッスル(体表面の筋肉)、インナーマッスルすべてのことを言います。
先ほど、腹筋、背筋を鍛えても腰痛が治らないという話をしましたが、これはアウターマッスルである、体表面の腹筋、背筋を鍛えるだけでは不十分だということです。
体幹トレーニングはお腹まわりのアウターマッスル、インナーマッスル両方をバランスよく鍛えるということです。
体幹を鍛えることによって、筋肉で背骨、腰骨を支えます。
それは、筋肉でできた強力な腰痛ベルトを作るようなものです。
体幹を鍛えて、重いザックにも、長距離山行にも耐える体づくりを目指します。
腰痛に関係する筋肉は?
腰痛に関係する筋肉は腰を中心に広がっています。
アウターマッスルでいうと、腹直筋(腹筋が割れる場所)や腹斜筋(横の腹筋)、広背筋(背中の中央付近から腰、脇の下に広がる筋肉)、脊柱起立筋(背骨の両脇の盛り上がり)、大臀筋(お尻の筋肉)、ハムストリング(太腿の裏の筋肉)などがあります。
インナーマッスルでいうと「腹横筋(ふくおうきん)」と「多裂筋(たれつきん)」があります。
腹横筋は腹斜筋の内側にあります。つまり、よこ腹筋は2層になっていて、外側が腹斜筋、内側が腹横筋です。
多裂筋は、脊柱起立筋の内側にあって、背骨の後ろ側に沿ってくっ付いている筋肉です。
体幹を鍛える
腰痛に関係する筋肉をトレーニングによって鍛えます。
以下に、具体的なトレーニング方法を紹介します。
極めて簡単なトレーニングですが、継続していれば、これだけでも、体幹が鍛えられ、腰痛が改善する可能性があります。
なお、腰痛がひどい時に、負荷の強いトレーニングを行うと、痛みが増すことがありますので、運動負荷は腰の状態を見ながら調整するようにします。
(モデルは400円ガチャのフィギュア、海洋堂 戦え!ドクロマンで姿勢を再現してみました。)
ドローイン~腹横筋に効く
仰向けになって、両膝を立てます。息を吐きながらお腹をへこませます。お腹が背中に付くようなイメージで息を吐き切り、肛門をへその方向に締め上げます。
最初は10秒×数セット行い、慣れたら30秒で行います。
ドローインの呼吸を覚えると、立った状態でも行えるようになります。1日に3回程度行うと良いでしょう。
ヒップリフト(バックブリッジ)~大臀筋、ハムストリング、脊柱起立筋、腹横筋に効く
仰向けになりドローインの姿勢から、お尻をゆっくり上げ、ゆっくりと下げる運動です。30秒×1セットくらい(10回程度)からはじめて徐々にセット数を増やします。
プランク(フロントブリッジ)~広背筋、脊柱起立筋、大臀筋、腹直筋、腹斜筋、腹横筋に効く
肘をついて、腕立て伏せのような姿勢を作ります。お尻を突き出したり、腰が低くなったりしないよう、首から足までが一直線になるように保ちます。
負荷はそれぞれの筋力によって調整しますが、30秒×1セットくらいからはじめて(できなければ10秒程度)、徐々にセット数を増やします。楽に3セットできるようになったら、今度は1分で行いセット数を増やします。
サイドプランク(サイドブリッジ)~腹斜筋、腹横筋に効く
プランクだけでも十分なトレーニングになりますが、プランクだけでは足りないと感じたらサイドプランクもやってみます。
横を向き、片肘をついて足を伸ばし、首から足まで一直線になるように保ちます。これも30秒×1セットくらいからはじめて(できなければ10秒程度)、徐々にセット数を増やします。
ハンド&ニー(アームレッグクロスレイズ)~広背筋、脊柱起立筋、大臀筋、ハムストリング、腹横筋、多裂筋に効く
四つん這いになり、右腕と左足をそれぞれピンと伸ばしキープします。顎を上げ、足はなるべく高く上げます。終わったら、逆の手足でも行います。
30秒×1セットくらいからはじめて(できなければ10秒程度)、徐々にセット数を増やします。
体幹トレーニングはヨガのポーズにすべて含まれている
ヨガにはいろいろなポーズがありますが、体幹トレーニングと同じ要素のものがたくさん含まれています。
ヨガをやると自動的に体幹トレーニングになりますので、興味のある方はヨガをおすすめします。
ヨガ教室で指導を受けるのが最も良い方法ですが、DVD付きのエクササイズ本やネット動画を見て行っても効果は十分にあります。
体幹の筋肉は、座りっぱなしの仕事をしている人や、中高年者は衰えやすい傾向にあります。
このような方は、継続的なトレーニングが必要になってきます。
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