25Jun

地形図の必要性
登山をする時は登る山の地形図とコンパスを持っていくのが基本。
基本的な登山技術のひとつに地形図の読図能力というものがあります。
しかし、最近は地形図を持っている人をほとんど見なくなりました。
そんな地形図について今回は書いていきます。
地形図とは
地形図とは国土地理院が発行するもので、登山の場合通常2万5千分の1の縮尺の地形図を使用します。
地形図には等高線や地図記号が書かれていて、コンパスと一緒に使用することで、自分が歩くルートの方向や起伏、周囲に見える山の地形や方向がわかります。
すなわち地形図を読図できる能力があればGPSなどの機械がなくとも現在地を正確に把握できます。
ちなみに、熟練者には地形図が山の立体模型のように見えるといいます。
地形図の必要性と読図能力
最近は登山ガイドブックを持ち歩いたり、ネットで登山情報を得たり、ハンディGPS、高度計、スマホを装備したりと便利なものが多くなりました。
晴れた日に登山道の整備された山に日帰り登山する場合や、登山ガイドや経験豊富なリーダーとしか登山しないなど、地形図なんか必要ないという意見もあるかもしれません。
しかし、日帰りの低山でも道に迷い遭難する登山者が後を絶たないのも残念ですが事実です。
地形をとことん知りつくした山であれば地形図がなくても勘で歩けるのこともありますが、スマホがバッテリー切れだったり、GPSが故障した場合に、読図能力は最後の砦となります。
また、読図ができるということは、これから登ろうとする山のルートや山頂からどんな景色が見えるのかなど想像したり、山行計画するときの楽しみにもなります。
何より読図能力の向上は登山への自信にもつながり、道迷いなどの遭難事故防止にもなります。
地形図とコンパスがあって読図能力がベースにあり、その上でガイドブックや、高度計やGPS、スマホなどがあるわけで、
地形図とコンパスを持たないというのは登山者として基本からはずれたことであるということを知ってほしいものです。
能力を過信しない
最近は、生半可な考えで山に入り、道に迷って、安易に携帯電話でヘリに救助要請などという登山者もいるといいます。
また、誰でも登ってる山だし足には少々自信があるから未経験でも大丈夫だろうなどと思っているような人が、偶然天候などに恵まれて、行ったその日の登山が楽勝だった。
こういったことを登山経験や実力と勘違いしてしまうことで、基本からはずれたままステップアップしていき、山の事故を起こしてしまうこともあるでしょう。
こういった登山技術の未熟さが最近の山の事故の原因のひとつになっているのだと思います。
地形図のススメ
あくまでも、経験豊富なリーダーにしかついて行かないと決めているのならそれでもよいのかもしれないけれど、
地形図が読めることで登山の幅も楽しみも間違いなく広がることでしょう。
地形図は大きな書店、登山用品専門店にも置いていますが、ネット上で国土地理院が提供している地形図や、カシミール3Dに代表されるフリーソフトをダウンロードして地形図をプリントするのもいいでしょう。
地形図の印刷には顔料インクが断然おすすめです。水濡れしても印刷が散りません。
染料インクは水濡れすると印刷が散って見えなくなるので要注意です。
地形図はマップケースやジップロックなどに入れて装備しましょう。
次回の読図の方法(地形図の読み方)では、読図の仕方について具体的に説明していきます。
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