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元山岳部部長の登山講座

ザックのチェストベルトは必要か?

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登山のザックの各部名称

ザックのチェストベルトは必要か?

ほとんどのザックにはチェストベルトがついています。

また、ほとんどの登山者はチェストベルトを使用して登山をしています。

しかし、パッキングのバランスが良い場合や、荷物が少ない場合はチェストベルトの効果はほとんど感じられず、歩行に影響がありません。

チェストベルトがついているから必ず締めなければならないと思っている登山者が多いように思います。

今回はチェストベルトの不思議について書くことします。



一昔前のザック

一昔前のザックと現在のザックは性能もパッキング技術もまったく違い、ザックの重心は背中上部にするのが基本だったので、現在のザックとは比べものにならないくらい肩に負担がかかり、ザックの重みでショルダーベルトが肩に食い込んだり、両外側に広がることもありました。

チェストベルトは付いていませんでしたが、肩から外れることもなく、特に不自由は感じたことはありませんでした。

 

チェストベルトの役割

チェストベルトの役割はザックが重たい時などにショルダーベルトが肩から外れないようにするためや、ショルダーベルトの肩への食い込みを軽減するためのものです。

また、ザックが異常に重たかったり、パッキングが悪くて振られる時や、藪こぎ、岩場、トレランなど、ザックの振れをより防止したい時などに使用すると言われています。

平均的な装着位置は鎖骨下約5cmと言われ、ザックによってはチェスベルトが上下に可動するものもあります。

 

実際の登山では・・

チェストベルトは締めなくても歩行に影響がない場合がほとんどです。

好き嫌いはありますが、締めると胸が窮屈になり息が苦しくなりますのでチェストベルトを使用しない登山者は多くいます。

筆者もチェストベルトは息苦しくなるので、ほぼ使用しません。

日帰り登山ならザックは軽いのでショルダーベルトが肩から外れそうになるとか、ザックが振られることもありません。

縦走などで、重たい大型ザックを背負った時はどうかというと、重たくてもザックが振られないようパッキングには相当気をつけますので、チェストベルトのお世話になることはありません。

ザックがかなり重たいと、藪こぎなどでは確かに振られますが、ザックが非常に重たい場合、チェストベルトをしたからといって画期的にザックの振れが収まるわけでもありません。

むしろ、ザックが重たいと体力を消耗しますので、チェストベルトをぜずに胸をフリーにした方が楽になることもあります。

チェストベルトをしていた時期はありますが、それは、冬山でザックの外側にスコップ、ピッケル、スノーシューなど重たいものを装着していたために、ザックの重心が後ろ側にずれ、ショルダーベルトが両外側に引っ張られる感じになった時です。

この時のザックにはチェストベルトが付いていなかったので、後付けして使用していました。

チェストベルトを使用することにより、ショルダーベルトが両外側に引っ張られる感じは軽減されましたが、そもそもパッキングに問題がありましたのでチェストベルトの使用によって画期的に背負いやすくなったというわけではなく、いくらかマシになったという程度でした。

(チェストベルトは別売りされており、後から取り付けることもできます。)


mont-bell(モンベル) チェストストラップ BK 1124712

 

まとめ

チェストベルトの役割や実際の使用感を書きましたが、荷物が軽かったり、パッキングが良く、ザックが振られにくい状況ではチェストベルトの出番はほとんどないでしょう。

チェストベルトの効果がない時に、締めると呼吸が苦しくなるなどの弊害があります。

パッキングが悪く、ザックが振られるから、チェストベルトをするというのは順序が逆で、まずはパッキングをきちんと行うというのが基本です。

(パッキングのコツについては「図解パッキングのコツ~ザックの詰め方」を読んでみて下さい)

チェストベルトが必ずしもザックのフィット感や疲労軽減に貢献しているとは思えないのに、何故か小さなデイパックから大型ザックまで、ほとんどの登山用ザックには標準的にチェストベルトが付いています。

チェストベルトを使うか使わないかは登山者の自由ですが、特に必要とも思われない場面で、呼吸が苦しくなっても、律儀にチェストベルトを使用しなければならない理由はないでしょう。

人の体型によっては、ショルダーベルトが外れやすい場合もあると思いますので、そのような人はチェストベルトが必要だとは思いますが、ほとんどの場合は、正しいパッキングとザックのベルト調整で、ザックのフィット感は格段に向上します。

(ザックのベルト調整については「ザックの背負い方~ベルト類の調整で快適に」を読んでみて下さい)

ザックのパッキングやベルト類の調整は思考停止に陥らず、自分に合ったフィッティングを研究することが大切です。



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プロフィール

フリーライター。元船員。
学生時代に山岳部リーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。
以来、北海道の山をオールシーズン、単独行にこだわり続け30年。
現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのライター。



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