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元山岳部部長の登山講座

ザックの背負い方~ベルト類の調整で快適に

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ザックの背負い方~ベルト類の調整で快適に

ザックには色々な調整ベルトがついています。

ベルトは適正な長さに調節しなければ、ザックが重く感じたり、疲労が増したりします。

逆に、ベルトの調整方法や役割を理解していれば、歩行中の疲労を軽減できたりもします。

今回はザックのベルト調整の仕方について説明します。



メーカーの説明では?

大手ザックメーカーが説明するベルトの調整方法はほぼ同じです。

メーカーによって、ベルト類の呼び方が違いますのでここでは、以下の呼び方で説明します。

  • 1 各ベルト類は適度に緩めておく。荷物は適度に詰めておく。
  • 2ザックを背負い、両サイドのヒップベルトの中心付近が骨盤の上端の角に当たる位置でヒップストラップを止める。(個人差はあるがヒップストラップのバックルはへそ付近にくる)

  • 3ショルダーストラップを徐々に締める。ショルダーベルトと肩、ザック背面と背中が苦しくない程度にほど良く密着させる。
  • 4ショルダースタビライザーを適度に締める。ショルダースタビライザーを締めることでザックがより体に密着する。
  • 5ヒップスタビライザーを締める。こうすることで、ザック下部が引きよせられ密着度が増す。
  • 6チェストベルトを胸が苦しくない程度に締める。チェストベルトの位置は鎖骨下5cm程度が良い。(ベルトの高さが調整できるものとできないものがある)

 

実際の登山では

ザックメーカーの説明どおりでまったく問題ありませんが、若干解説します。

1でベルト類を緩め、荷物を適度に入れますが、荷物は実際に登山をする時と同じようにパッキングをしてからの方がより実戦的です。

2でヒップベルトを締めますが、これは、ザックを重さの8割程度をヒップベルトで受け止めるわけなので、ヒップベルトがずり下がらないように骨盤の角を利用するということです。

ウエストの位置で締めると、胃やろっ骨下部が苦しくなります。

体型は男女の差や個人差がありますので、必ずしもこの位置が適切とは言い切れませんが、要はヒップベルトがずり下がらず、かつ苦しくない位置なら良いということです。

3でショルダーストラップを締めますが、適度な長さに締めたら、一度ザックを下ろして左右の長さを確認し、長さが違えばどちらかに合わせます。

ザックを背負ったままショルダーストラップを調整すると、ほとんどの場合左右の長さは合っていません。

慣れていない人ほど、ショルダーストラップの長さはかなり違っているものです。

左右の長さが違うと長時間歩いているうちに、片方の肩に荷重がかかる通称「片荷(かたに)」という状態になり、肩がこるし疲労します。

4でショルダースタビライザーを締めますが、ショルダースタビライザーはザックを体に密着させるだけではありません。

ショルダースタビライザーを引くと、ショルダーベルトの荷重が軽減し肩への食い込みが軽くなります。

その分、ヒップベルトに荷重が多くかかるようになりますので、通常はヒップストラップを更に締めることになります。

ショルダースタビライザーを締めているのに歩行中、肩が重いと感じた時は大概ヒップベルトが緩んでいますのでヒップストラップを締め直します。

また、歩行中に腰への荷重がつらくなってきた時は、ショルダースタビライザーを緩めるか、ウエストベルトをやや緩めれば肩に荷重が多くかかり腰への荷重は軽くなります。

このように、ショルダースタビライザーとウエストベルトの締め具合で、肩と腰にかかる荷重の割合を変えることができますので、歩行中に肩や腰が辛くなってきたら適宜調整して、疲労を和らげることができます。

5のヒップスタビライザーは締めても、さほど背負い心地に影響はありませんが、通常は締めておきます。

6のチェストベルトですが、これの役割はザックが重たい時などにショルダーベルトが肩からはずれないようにするためや、ショルダーベルトの肩への食い込みを軽減するためのものです。

チェストベルトは締めなくても歩行に影響がない場合がほとんどです。

好き嫌いはありますが、締めると胸が窮屈になり息が苦しくなりますのでチェストベルトを使用しない登山者は多くいます。

チェストベルトは別売りされており、後から取り付けることもできます。


mont-bell(モンベル) チェストストラップ BK 1124712

ベルト類の調整が終わったら、最後にザックの中身が踊らないよう、雨蓋のベルト(デイパックなど雨蓋のベルトがないザックもあります)とサイドベルトをしっかりと締め込み、ザックの無用な膨れをなくしコンパクトにします。

背面長って?背面長が調整出来るザックとできないザック

ショルダーベルトの付け根からヒップベルトまでの長さを「背面長」と呼んでいますが、上の写真のように男女や骨格の差で背面長は決まります。

背面長が適正な状態のザックとは、ショルダーベルトの付根が肩甲骨の中央付近、ヒップベルトの中央が骨盤の上端の角付近にあるザックです。

背面長が合っていないと、いくらベルト類を調整しても背負いやすくなりません。

大型ザックの多くはショルダーベルトの付根が可動出来るので体型に合わせて背面長の調節ができます。

しかし、中型ザック以下は背面長の調整ができないものがほとんどですので、購入時には自分の体型に合ったものを選ばなくてはいけません。

レディース用と表示しているザックは背面長が短く、男女の表示のないザックの多くは背面長が長い男性用です。



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プロフィール



初登山は雌阿寒岳。

学生時代に山岳部リーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。

以来、北海道の山を舞台にオールシーズン単独行にこだわり続け30年。

現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのアマチュア登山者。



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