山登り初心者とステップアップしたい経験者の方へ登山講座

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元山岳部部長の登山講座

登山と高度計。高度計の大切な役割


登山には地形図コンパスを持っていくのが基本だという話を以前に「地形図を持って登山に行こう」でしました。

地形図は読図ができなければ現在地を知ることができず意味をなしません。

しかし、読図ができるようになるにはそれなりの練習が必要になります。

そんな時でも役に立つ、高度計について今回は書いていきます。




高度計と地形図。読図の練習にも最適

高度計を持っていると読図が不得意でも、ある程度正確に現在地を知ることができますし、読図が出来る人でも視界が悪い時などには現在地を知るのに重宝します。

現在の高度がわかるということは、地形図には等高線が表示されているので、その時の高度と同じ等高線上のどこかに自分の現在地があるということがわかります。

地形図と高度計を持っていれば、大きく登山道をはずれない限り、初心者でも比較的簡単に現在地を知ることができ、万一登山道をロストしてしまったりしても、高度がわかるので地形図を見れば、現在地をある程度推測することができます。

また、読図の不慣れな人が山で読図の練習をするのにも役に立ちます。

高度計はアナログ式のものあれば、デジタル時計に内蔵されているものもあります。

アマゾン ビクセン 高度計 アナログ 気圧計付き
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スマホの地形図アプリやGPS専用機があれば高度計はいらない?

最近ではスマホに地形図アプリを入れてハンディGPSがわりにしている登山者が増えました。

スマホがバッテリー切れや故障しない限り、道迷いを起こすことはないでしょう。

また、スマホアプリやGPS専用機は、等高線が入った地形図が表示され、リアルタイムで現在地がわかりますので、高度計は必要ないという考え方もあるでしょう。

しかし、スマホアプリやGPSのみに頼った登山スタイルは、機械にトラブルが発生した場合の保険はありません。

そのような場合でも、地形図と高度計があれば、読図に不慣れな人でも、ある程度の現在地を推測することが可能です。

高度計は、万一、GPSなどの機械が故障してしまった場合、現在地を知るための最後の砦となり得ます。

 

高度計と気圧

ほとんどの高度計は、アナログ、デジタルともに気圧を検知して高度を計測する仕組みになっています。

気圧から高度を求めるということは、気圧は変化するものなので、登山前に標高のはっきりした場所で高度計を校正する必要があります。

また、登山中でも低気圧の接近などで気圧が大きく変化した場合は、正しい高度を表示していないこともあるので注意が必要です。

高度が上がるほど気圧は下がりますが、気圧と高度の関係は正比例しておりません。

標高3000mまでは1hpaあたり、高度は概ね8m~10mの間で変化します。覚えづらいので1hpa=約10mと覚えてもいいと思います。

気圧が安定している時は高度計は常に正しい標高を表示しますが、気圧に変化がある時は登山中でも校正する必要があります。

例えば、登山口で高度計を校正したのに山頂では標高が実際より高く表示された場合は、気圧が下がってきていることがわかり、天気の予測にも役立ちます。

登山中は、標高がはっきりしている場所を通過するときには、時々高度計が合っているのかどうか確かめると良いでしょう。

なお、スマホには高度計アプリがありますが、これはGPSの信号を計算して高度を出しています。

この方式の高度計は気圧式に比べ、一般的に誤差は大きくなりますので、参考程度ということになります。(最新式のスマホの一部機種には、気圧式高度計が搭載されたものも出ました。今後の動向に注目です。)

 

高度計付き腕時計

筆者は、高度計付き腕時計がメジャーな存在になるまでは、アナログの高度計を持って登山をしてましたが、現在はカシオの「プロトレック」という高度計付き腕時計を使用しています。

アマゾン [カシオ] プロトレック 電波ソーラー PRW-3400-1JF
楽天   [カシオ] プロトレック 電波ソーラー PRW-3400-1JF

1m刻みで高度が表示され、非常に正確です。

コンパス機能も付いており、ざっくりと方位を知りたい時などにも便利です。

プロトレック以外の高度計付き腕時計では、例えば、カシオの「スポーツギアー」などがあり、こちらは1万円を切る手頃な価格です。

スポーツギヤの高度計表示は5m刻みとなっていますが、5m刻みでも、実用上はまったく問題なく使えます。

アマゾン CASIO 腕時計 SPORTSGEAR  SGW-300H-1AJH
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アナログ式高度計は、電池がいらないというメリットがありますが、高度を見る時にいちいちポケットから取り出さなければならない煩わしさがあります。

一方、高度計付き腕時計は、いつでも高度を確認することができますので、非常に使いやすいです。

スマホやGPS専用機は持っていないという人でも、高度計は実用性が高く、地形図、コンパスと一緒に高度計を持参することで、現在地がよりわかりやすくなります。

登山用高度計の詳細や選び方については「高度計、登山用腕時計の選び方」を読んでみて下さい。




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プロフィール

フリーランサー。元船員(航海士)
学生時代に山岳部チーフリーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。
以来、北海道の山をオールシーズン、単独行にこだわり続け35年。
現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのライター。

※他サイトにおいて元山岳部部長を名乗る個人・団体が存在しますが、それらは当サイトとは一切関係ありませんのでご了承ください。



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