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元山岳部部長の登山講座

登山とサプリメント~バテない登山をめざせ

登山とサプリメント~バテない登山をめざせ

前回は山の食事について触れました。

基本的に山で食べる食事で十分な栄養を補給することはできません。

ましてや、登山という激しい消耗を伴う運動をしていますから栄養は不足気味になり、下山するまで体力は右肩下がりでどんどん消耗していきます。

登山中の「バテ」は20代、30代ではそんなに感じなかった人でも、40代以降のいわゆる中高年登山者になった時に顕著に表れてくるものです。

そこで登山中に起こる体力の消耗を少しでも遅らせる方法としてサプリメントの摂取が非常に有効です。

サプリメントを効率よく取ることで、今までバテバテだった山や、諦めていた山に挑戦できるようになります。

普段から十分にトレーニングしている人、トレーニングが不十分な人を問わず、サプリメントの効果は誰でも十分に感じることができます。

登山人口が最も多いとされる60代以上の登山者は、特にサプリメントを積極的に活用した方がよいと思います。




登山中に必要なサプリメント

最近は優秀なサプリメントが手軽に手に入るようになりました。

サプリメントにも色々と種類があり、量や価格もまちまちで、なかなか選びきれるものではありません。

その中でも「アミノ酸系」「ビタミン系、ミネラル系」のサプリメントを取ることが重要です。

これらのサプリメントは多くのメーカーから様々な種類ものが販売されていますが、商品によって効果が高い低い、値段が高い安いなどがあります。

要は、必要な成分さえ入っていれば、ブランドに関係なく効果が期待できますので、1回当たりの摂取量に対する単価の安いものが良いと思います。

サプリメントを試したことがないのであれば、まずは買って飲んでみましょう。

アミノ酸系サプリメント

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登山で最も重要なサプリメントはアミノ酸です。

アミノ酸系のサプリメントには筋肉が疲労しづらく、また筋肉疲労を回復させる効果があります。

アミノ酸を競技前に飲んでパフォーマンスの向上を図り、競技後に飲んで速く疲労回復させているアスリートは多くいます。

登山では行程が長いことから、行動中も適宜アミノ酸を補給しながら歩くのが有効です。

アミノ酸を取りながら歩くと、筋肉が疲労しづらく、また僅かでも疲労を回復していきますので、スタミナが温存され、以前はバテていた場面でもバテずに歩けるようになります。

また、アミノ酸は就寝前に飲むと翌朝は疲労感が軽減されて、すっきりと目覚めることができますし、運動後ではなく、仕事で疲れている時なんかにも飲んで眠れば、朝はすっきりを目覚めることができます。

トップアスリートが使っているだけあって、栄養ドリンクなんか飲むよりはるかに効果があり、運動、登山にかかわらず日常生活でも役に立つアイテムです。

アミノ酸系サプリメントというと高価なイメージがありますが、平均的な服用1回分の単価は100~200円程度と決して驚くような高級品ではありません。

アミノ酸系サプリメントを選ぶにあたっては、種類が多すぎてわかりづらいと思います。

たいていは何錠入りで何回分と書いてありますが、1回分のアミノ酸の含有量は商品によってまちまちで、2000mg~4000mgと幅があります。

肝心なのはアミノ酸の含有量です。

そこで、ひとつの目安として、1回分のアミノ酸の含有量を4000mgに換算して何種類かのサプリメントを比較することします。

・味の素 アミノバイタル タブレット 120錠入り ネット価格2600円程度

1回4錠(アミノ酸2000mg)とありますので、1回4000mgだと8錠必要なので120錠で15回分になり、約173円/回となります。

アマゾン 味の素 アミノバイタル タブレット 120粒入
楽天   味の素 アミノバイタル タブレット 120粒入

 

・味の素 アミノバイタル ゴールド 3本入り ネット価格580円程度

1回1本(アミノ酸4000mg)とありますので、約193円/回となります。
こちらは顆粒のスティックタイプでそのままでも水に溶いても飲めます。

アマゾン 味の素 アミノバイタル GOLD ワンデーパック
楽天   味の素 アミノバイタル GOLD ワンデーパック

 

・ケンタイ アミノスーパータブ 900錠入りネット価格5000円程度

1回10錠(アミノ酸3500mg)とありますので、1回4000mgだと約11.4錠必要なので約78回分になり、約64円/回になります。

アマゾン Kentai アミノスーパータブ 900粒
楽天   Kentai アミノスーパータブ 900粒

 

・森永ウィダー アミノタブレット 600錠入り ネット価格4600円程度

1回6錠(アミノ酸3000mg)とありますので、1回4000mgだと8錠必要なので75回分になり、約61円/回になります。

アマゾン ウイダーアミノタブレットビッグボトル600粒100回分
楽天   ウイダーアミノタブレットビッグボトル600粒100回分

 

以上、まとめてみました。

アミノ酸系のサプリメントには錠剤、顆粒、飲むゼリーなどが様々なタイプがありますが、長期登山には携行のしやすさから錠剤が向いています。

日帰り登山ならゼリーでも粉でも、特に形状は気にすることはないと思います。

単価ではウィダーアミノタブレット600錠入りが最も安く、筆者はこれを購入しています。

とりあえず試したいなら、単価は高くなりますが、アミノバイタル ゴールド3本入りでも良いと思います。

このほかにも色々な商品がありますし、スポーツ用品店では1回分から販売している場合もあります。

迷った時には、このようにアミノ酸の含有量と錠数と価格を計算する方法が良いでしょう。



ビタミン、ミネラル系サプリメント

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登山中は体力を使いますので、ビタミンやミネラルの消費量は日常より多くなります。

さらに、ビタミンB、ビタミンCとミネラル分は、登山中にかく大量の汗とともに徐々に流れ出てしまいます。

1日に必要なビタミン、ミネラルを取っていても登山中には欠乏してしまいます。

ビタミンB群はエネルギーを燃焼させ、ビタミンA、C、Eは抗酸化やストレスの軽減など、鉄は酸素の運搬と関係し、ナトリウムやカリウムが不足すると筋肉に痙攣を起こしたりと、運動とビタミン、ミネラルの関係は意外に重要です。

登山中に水分、行動食、アミノ酸系サプリメントを補給していても体力が回復しないことがあります。

そんな時はビタミンやミネラルが不足している場合がありますので、サプリメントで補給してやれば短時間で回復することも多くあります。

特に夏場は熱中症とミネラル不足は深く関係していますので、水分や塩分を取っていても具合がよくならない場合はサプリメントでミネラルを補給することが有効です。

では、どんなサプリメントがいいのかと言いますと、ビタミンやミネラルの補給には若干注意が必要で、中には過剰摂取が体にあまり良くないものもありますので、色々な成分がバランスよく入った、マルチビタミンやマルチミネラルなどのサプリメントが適しているとされています。

薬局やコンビニでよく見かける、DHCやディアナチュラから出ているもので十分だと思います。

アマゾン ディアナチュラ マルチビタミン&ミネラル200粒50日分
楽天   ディアナチュラ マルチビタミン&ミネラル200粒50日分

アマゾン DHC マルチミネラル 90日分
楽天   DHC マルチミネラル 90日分

アマゾン DHC マルチビタミン 90日分
楽天   DHC マルチビタミン 90日分

 

行動中の摂取の仕方

登山中にいったいどれだけアミノ酸やビタミン、ミネラルが不足し、どれだけ補給しなければならないのかについては、はっきりとした資料や文献は見つけることができません。

筆者は40代後半から体力の衰えを感じて、登山中にサプリメントを摂取するようになりましたが、何度も実験をしながら、一番効果のあった摂取の仕方は以下のとおりです。

登山開始前
アミノ酸系サプリメント1回分(アミノ酸含有量4000mg相当)×1
マルチビタミン1日分×1
マルチミネラル1日分×1
3時間後
アミノ酸系サプリメント1回分(アミノ酸含有量4000mg相当)×1

マルチビタミン1日分×1
マルチミネラル1日分×1
以後、3時間毎に同量を補給。

マルチビタミンとマルチミネラルの1日分とは包装の説明に書いてある通常の1日分の量です。

スポーツや栄養の専門家から見れば、間違いを指摘されるのかも知れませんが、サプリメントをこのように補給するようになってから、1日12時間程度の超ロングコースでもバテずに下山できるようになりました。

これを見て多いと感じる人も少ないと感じる人もいるとは思いますが、これはあくまでも個人の感想です。

摂取量には個人差があると思いますが、登山のスタミナ対策にアミノ酸、ビタミン、ミネラルの3つは必須サプリであることは間違いないと思います。




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プロフィール

フリーランサー。元船員(航海士)
学生時代に山岳部チーフリーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。
以来、北海道の山をオールシーズン、単独行にこだわり続け35年。
現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのライター。

※他サイトにおいて元山岳部部長を名乗る個人・団体が存在しますが、それらは当サイトとは一切関係ありませんのでご了承ください。



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