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登山用テントのまとめ~テントの張り方2(強風時)

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登山装備 テント

登山用テントのまとめ~テントの張り方2(強風時)

実戦的なテントの張り方について、今回は風が強い時のテントの設営方法やその他のトラブルについて説明します。

(前回記事、風が弱い時のテントの張り方はこちらです→「テントの張り方1」)

 

風が強い時

風が強い時は設営・撤収の手順を間違えるとテントが飛ばされたりするのでよく手順を考えながら行わなければなりません。

下記に風が強い場合のテントの設営・撤収手順の一例を説明しますが、必ずしもこの手順どおりが一番良いとは限りません。

テントの形状や特徴によってはもっとスマートなやり方があると思います。

要は、テントが風で飛ばされることなく、かつ素早く設営・撤収できればいいのです。

テントを購入したら必ず設営・撤収を実際にやってみてから山に行きましょう。

設営方法
1、設営場所にテントを広げると同時に、風上側の2か所にペグを打ちます。テントの入口の向きは風下にし、風が変わっても風上にならないようにします。まずはこれでテントが飛ばされる心配がなくなります。引き続き、風下の2か所にもペグを打ち、テント本体の4隅を固定します。

2、テント本体に2本のポールを通します。

3、ポールを立ち上げます。ポールの片側の先端をテントの4隅にあるハト目に入れ、ポールを弓状にしならせながらもう片方のポールの先端を対角線上にあるハト目に入れます。(テントによってはハト目が片側にしかないものがあります)

4、もう1本のポールも同じ要領でハト目にセットします。

5、フライシートは風上側の2か所をテント本体に連結してから、テント本体にフライシートをかけます。

6、テント本体についている4本の張り綱をフライシートの4隅にある穴を通して外側に出します。フライシートの風下側の2か所をテント本体に連結します。

7、4本の張り綱を長め伸ばしてからペグを打ちます。

8、フライシートの4辺にペグを打ちます。

9、張り綱を締めてたるみをとります。

※1でテントの4隅をペグで固定してますが、先に4隅を固定してしまうとポールがうまく立ち上がらないテントもあると思います。その場合は風上側の2か所をペグで止めた状態でポールを立ち上げます。

※2のあと、テント本体にフライシートを先に連結してからポールを立ち上げることができるなら、その方がベター。
※フライシートがない場合(ゴアテックスなどのシングルウォールテントの場合)5~8の作業はありません。

撤収方法
1、テント本体の4隅のペグを残し、すべてのペグを抜きます。

2、エアー抜きのためにテントの入口を少しだけ開け、2本のポールをテント本体から抜き、収納袋に入れ飛ばない場所に避難させておく。

3、フライシートを畳みます。まず、テント本体との連結は風下側の2か所をはずしてから大まかに畳む。畳んだら風上側のどちらか1か所の連結を残して小さく畳み、最後に残りの連結をはずしてフライシートを飛ばない場所に避難させておく。

4、テント本体を畳みます。まず、風下側のペグ2か所を抜き、大まかに畳む。畳んだら風上側のどちらか1か所のペグを残して小さく畳み、最後に残りのペグをはずす。

5、畳んだフライシートとテント本体を収納袋に入れる。


6、ペグの泥を落とし、収納袋に入れる。

※2のあと、フライシートを外さずにフライシートが付いたまま、テントを畳むのもありです。(収納袋に入ればOKです)

 

以上が強風時のテントの設営・撤収方法です。

 

テントが破損した!

登山中は、強風でテントが破れた、ポールが折れた、コンロの火で穴が開いたなど不足の事態に備えておく必要があります。

行動中のテントの破れは、針と糸で縫い合わせる、ガムテープで補強するなどして急場を凌ぐしかありません。

修理用のタコ糸と針、ビニールテープ、ガムテープ、ポール修理用パーツ

 

ポールが折れた時は、応急修理用のパーツがテントに付属している場合が多いので、修理用のパーツでポールをつなぎ、ビニールテープでぐるぐる巻きにするなどします。

修理用パーツを使ってポールをつないでみる

修理用パーツとビニールテープで応急修理

 

それでもだめなら、ツエルトでビバークするか、緊急下山するしかないでしょう。

 

ペグあれこれ

・ペグを打つハンマーは?

ペグ専用の軽いハンマーがあり、持って行くと使いやすいのですが、ハンマーの分装備が重くなります。その辺に落ちている大き目の石をハンマーがわりにしても問題ありません。ただし、適当に打つと指を怪我したり、ペグを破損することもありますので若干注意して行って下さい。

・ペグが打てない場合の応用

地面が硬くペグが打てない時は、上の図のように、立ち木や岩を利用して張り綱を固定する方法が一般的です。山ではあるものを利用し、臨機応変に対処できることが大切です。

・ペグが抜けない

ペグが地中にがっちりと入り込み手で引っ張ってもなかなか抜けず、撤収のときに焦ることがあります。硬いペグを抜く方法は何通りかありますが、上の写真のようなペグの抜き取り器というものがあり、安くて軽くて、さほど邪魔にならないので重宝しています。

写真のものはずいぶん昔に購入したものですが、現在、これとよく似たもので「キャプテンスタッグ ペグ抜取器M-8272」という商品が出ています。

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プロフィール



初登山は雌阿寒岳。

学生時代に山岳部リーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。

以来、北海道の山を舞台にオールシーズン単独行にこだわり続け30年。

現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのアマチュア登山者。



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