15Feb
登山靴の手入れ(軽登山靴、トレッキングシューズ)
今回はトレッキングシューズや軽登山靴の手入れの仕方について説明します。
(革製登山靴の手入れについては「登山靴の手入れ(革製登山靴)」を読んでみて下さい。)
トレッキングシューズや軽登山靴には、布(ファブリックやテキスタイルとも言います)で出来ているもの、布と革で出来ているものがあり、手入れにも若干の違いがあります。
しかし、どちらもクリーニング→乾燥→防水処理という考え方は基本的に同じです。
手入れ方法
・布製登山靴
1 クリーニング
ソールの泥や小石を落とします。
いらない歯ブラシなどを使用して、ソールの裏側や側面に水道水をかけて、ソールの汚れを落とします。
挟まった小石は先の尖ったもの(マイナスドライバー、千枚通しなど)を使うと便利です。
雑にやるとソールを傷つけてしまいますので気をつけましょう。
靴ひもをはずします。
靴ひもは汚れたまま使用していると、登山中に切れることがあります。切れそうになっていないか点検し、汚れがひどい場合は洗濯します。
靴の中も点検します。
中敷きをはずし、靴の中の異物を取り除きます。
常時スパッツ(ゲイター)をつけている人なら中が汚れることはほとんどないと思いますが、泥などがついていたら、濡れたウエスなどで適当に拭き取ります。
靴本体(アッパー)の汚れを落とします。
汚れの度合いによりますが、比較的汚れが少ないのなら、靴ブラシで汚れを落とし、濡れたウエスで何回か拭き取れば良いでしょう。
汚れがひどい場合には、中性洗剤か専用のクリーニング剤を使用します。
登山靴用のクリーニング剤は、コロニル アウトドア アクティブ クリーナーや、ニクワックス クリーニングジェル スポンジAなど布革兼用のものが主流です。
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2 乾燥
ゆっくり乾燥させます。
3 防水
アッパー全体に防水スプレーをかけます。
防水スプレーには多く分けて、フッ素系とシリコン系があります。
シリコン系防水スプレーは表面全体に皮膜を形成しますので、使用している登山靴がゴアテックスブーツだったら、透湿効果が落ちる可能性があります。
使用するならフッ素系防水スプレー(スコッチガードなど)が良いでしょう。
フッ素系防水スプレーは、雨具などのゴアテックス製ウエアーにも使用できます。
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・布、革両方で出来ている登山靴
1 クリーニング
クリーニングは布製登山靴と同じ要領です。
専用クリーニング剤を使用する場合は布革兼用のもの(コロニル アウトドア アクティブ クリーナーやニクワックス クリーニングジェル スポンジAなど)を使用します。
2 乾燥
ゆっくり乾燥させます。
3 防水・保革
アッパー全体を防水し、革部分には栄養を与えるために保革剤を塗布します。
布部分の防水と、革部分の防水・保革をそれぞれ別に行うのは難しいと思います。
保革剤入りの布革兼用の防水スプレー(ニクワックス ファブリック&レザー スプレー EBE792など)があると一度に布、革の防水と保革ができるので便利です。
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4 保革
保革剤入りの防水スプレーを使用していても、長く使用していると、革部分の栄養分(油分)が不足して乾燥してくることがあります。
革は適度な油分がないと、長持ちしません。
このような場合は保革成分の濃い保革剤(保革油)を塗布してあげます。
保革剤は固形タイプ、液体タイプ、スプレータイプなどがありますが、効果と持続性が高いのは固形タイプ(コロニル アウトドアアクティブ レザーワックスなど)です。
なお、固形タイプの保革剤をヌバックやスエードに使用した場合、革の色が濃くなったり、光沢が出来たりして、元の風合いには戻らなくなります。
下の二つの画像は同じ軽登山靴ですが、固形の保革剤を塗る前と後では別物の登山靴に変身しています。
風合いを優先するのか、革の保護を優先するのかは人それぞれですが、登山のような過酷な環境で靴を使用する場合は、革の保護を優先した方が良いと思います。
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手入れは登山靴を良好に保つが・・
登山靴のお手入れは靴のコンディションを良好に保ちます。
また、登山靴は登山道具の中で最も大切な道具のひとつです。
下山後に手入れをするということは、靴の消耗状態や劣化などの確認も同時に行うということになります。
現在は品質の良い、専用のクリーニング剤や防水ワックスなどがあって、きれいに手入れをすれば良好な状態を長期間保つことができるでしょう。
しかし、そのような手入れ用品がなかった時代は、ウエスやブラシで泥や汚れを落として水拭きする程度でした。
登山の頻度にもよりますが、どんなに手入れをしても、軽登山靴は5年以上使用すると靴底(アウトソール)が剥がれるなどのトラブルが発生します。
靴底を交換しながら延命しても、軽登山靴の寿命は頑張って10年前後です。
登山靴は汚れ落としと、水拭き程度の手入れでも、靴の寿命が極端に短くなってしまうほどヤワではありません。
このように言ってしまえば、クリーナーや防水剤がいらないようにも聞こえてしまいますが、登山靴をどう手入れするのかは、結局登山者の道具に対する考え方によるところが大きいと思います。
下山後の疲れた中で、登山靴の手入れはつい忘れてしまいがちになってしまいますが、泥も落とさず、いつまでも放ったらかしにすることだけは避けるようにしましょう。
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