25Mar
雪山の紫外線対策。サングラスの大切な役割
雪山では太陽光線と雪面の照り返しで強い紫外線を浴びることになります。
厳冬期ではそんなに感じなかった紫外線も、太陽の高度が高くなる春山の晴れた日には大変強い紫外線を浴びることになり、顔がひりひりするばかりか、目の角膜、結膜が紫外線で炎症を起こす「雪盲(せつもう、ゆきめ)」という症状が出ます。
雪盲になると、ひどい場合には涙と痛さで目が開けていられなくなり、行動に支障が生じます。
今回は、雪山での紫外線対策について説明します。
雪盲とは
目を強い紫外線に晒し続けると、角膜と結膜に炎症が起こります。
夏の強い日差しを1日中浴びた時に、目が充血して涙目になった経験がある人は多いと思います。
太陽の紫外線は皮膚も焼けますが、目も焼けるのです。
雪盲はこういった症状の強化版みたいなものです。
特に3月~4月ころの春山は雪も多く、太陽の高度が高いので真冬より紫外線が強くなります。
この時期にサングラスやゴーグルなしで、晴れた日に雪山を数時間歩くと、目がだんだん痛くなってきて、目がごろごろしたり、充血してきます。
それでも我慢していると、目の痛みと眩しさで涙が止まらなくなり、目を開けていられなくなります。
こうなってしまってからの下山はとても厳しいものです。
一旦、激しい雪盲にかかってしまったら、まる1日、目を休ませなければ回復しません。
応急処置
これといった有効な処置はありません。
タオルや雪を使って目を冷やすといくらか良くなりますが、症状がひどい時は回復するまでむやみに行動すると危険です。
雪盲対策はサングラスとゴーグル
雪は太陽の紫外線を80%反射し、標高が300m上がると紫外線は4%は増加すると言われています。
雪盲から目を守るためには、サングラスやゴーグルが有効です。
サングラスとゴーグルのどちらが良いかといえば、雪山ではどちらも必要装備です。
ゴーグルは紫外線の防護と風雪から目を守りますので、ゴーグルだけでも良いかも知れませんが、登りで汗をかいている時にゴーグルをしていると暑いですし、曇り止めをしていても、レンズが曇ってしまいます。
寒い時や吹雪の時以外は、サングラスが快適です。
サングラスは眼鏡の横から入る光も遮断してくれる、冬山登山用のサングラスを選ぶのが間違いありませんが、UVカット率99%以上(またはUV透過率1%未満)であれば、どのようなサングラスでもかまいません。
だだし、UVカット率の表記がないものは避けた方が良いでしょう。
レンズにUVカット加工がされている眼鏡をかけている人なら、サングラスがなくても雪盲対策は可能です。(当然ですが、この場合は紫外線をカットできても眩しさは軽減できません)
一般的なスポーツ用サングラスやトレッキング用サングラスは衝撃にも強く、UVカット率の高いものが多いので雪山登山用としても適しています。
レンズの色や色の濃さは、UVカット率と関係ありませんので、レンズの色や濃さは好みで良いでしょう。
また、偏光レンズを使用したサングラスは、雪面のギラギラした反射光をカットしてくれ、雪上の地形が見やすくなります。(曇りの日はやや暗く見える傾向があります)
雪盲の症状は時間差で現れます。
長時間紫外線に晒されたあとに、症状が出た時には手遅れのことがあります。
入山したらサングラスをかけるのを忘れないようにするのが一番の対策です。
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サングラス、ゴーグル使用時の注意
登山に持って行く場合には、破損を避けるため、サングラスはハードケースに入れます。
ゴーグルは本体もレンズも柔らかいので破損しづらいですが、うまくパッキングしないとレンズにヒビがはいったりします。
筆者はゴーグルをきんちゃく袋に入れてザックに入れていますが、一度レンズに小さなヒビを入れてしまったことがあります。
ハードケースはかさばりますが、適度な大きさのものがあればゴーグルもハードケースに入れた方が安全と言えます。
また、サングラスやゴーグルをはずした時におでこにかける人がいますが、体温で汗などが蒸発しているおでこや帽子にかけておくと、レンズが曇ったり湿気で凍ったりしますので注意が必要です。
サングラスを一時的にはずす時は、眼鏡のつるにストラップをつけて首からぶら下げた方が良いでしょう。
曇り止めは効くのか
サングラスやゴーグルには曇り止め加工されたものもありますが、激しく曇る時にはどうしようもありません。
内側に曇り止めを塗っておくと、いくらか良くなりますが、曇りをすべてシャットアウトすることはできません。
サングラスのかけ方、ネックウオーマーや目出し帽の位置などを微妙に変えたり、曇ってきたら一旦眼鏡をはずして乾かすことを繰り返したり、いろいろ工夫しながら歩くしかありません。
特に、ゴーグルは激しく曇って結露してしまったあとに気温が下がると、レンズが凍ります。
ゴーグルをいったん凍らせると、温かい場所で乾燥させないと復活できませんので注意が必要です。
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まとめ
雪山登山(特に3月以降)では、雪盲対策としてUVカット率の高いサングラスをかけて行動します。
雪盲は時間差で症状が出てくるので、天気の良い日は油断ぜず、歩きはじめからサングラスをかけましょう。
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