20Sep
沢登り~スパイク地下足袋の選び方
スパイク地下足袋は、沢登りや一般の登山でもバランスの取れたフリクションを発揮します。
スパイク地下足袋には大きく分けて、脱着方法の違いによって、はぜ止めタイプとベルクロ(マジックテープ)タイプに分かれ、更につま先の形状の違いによって、先割れタイプ、先割れなしタイプ、先丸タイプ(靴タイプ)に分かれます。
これに加えて、安全性を考慮した先芯入りなどがあります。
色々なメーカーからスパイク地下足袋が出ていて、それぞれに特徴があります。
今回はスパイク地下足袋の選び方について説明します。
スパイク地下足袋の種類
はぜ止めタイプ
伝統的な地下足袋は馳(はぜ)と呼ばれる平たい金具を止め糸にかけて固定します。
はぜ止めタイプの良いところは、外力が加わった時に、ベルクロタイプに比べて外れにくいというところです。
あとは、見た目がカッコいいというところでしょうか。
止め糸は3~4本縫いつけられていますので、足の太さによってかける糸を選び密着感を調整します。(写真のものは止め糸が4本あります)
はぜには4枚、8枚、10枚など枚数がありますが、4枚はくるぶしが隠れる程度の長さ、8枚と10枚は脛の中央付近までの長さがあります。
はぜは枚数が多いほど密着感を得るための微調整が効きます。
密着感にこだわりを持つ人には、はぜの枚数の多いタイプがおすすめですが、沢登りでは通常、地下足袋の上から脚絆をかけますので、短い4枚タイプでも特に不具合を感じることはありません。
筆者は現在4枚タイプと8枚タイプの両方を使用していますが、沢登りにおいては、はぜの枚数の違いによる性能の差は特に感じたことはありません。
しいて言えば、はぜの枚数が少ない方が、脱着に時間がかかりません。
はぜ止めタイプは、慣れないうちは脱着にやや時間を要しますが、コツをつかめば早くなります。
最近は4枚や5枚などの短いスパイク地下足袋はラインナップが少なく、販売されているもののほどんとが8枚や10枚です。
ベルクロタイプ
スパイクシューズ 朝霧 I-88 荘快堂 黒 24-29cm マジック
ベルクロタイプはとにかく脱着が素早く、簡単だということです。
難点があるとすれば、足が太い人は稀にベルクロが外れることがあります。
また、ベルクロに糸くずや枯れ草などが付着した状態では、ベルクロが外れやすいので注意が必要です。
先割れタイプ
【8V-指割】日進ゴム JSシューズ8V スパイク地下足袋 8枚コハゼ
最近はめっきり見なくなった先割れタイプです。
親指が動くので、よりナチュラルに地面を捉えることができます。
難点があるとすれば、指の股に草や小枝が挟まりますが、大概は歩いているうちに取れます。
たしかに、河畔林などを歩いていてフキなど大きめの草が挟まると、やや鬱陶しいこともありますが、挟まったら取れば良いだけで、歩きに影響はありません。
先割れなしタイプ
指の股に草や小枝が挟まらないよう、指の股をゴムの膜で連結したタイプです。
現在販売されているほとんどのスパイク地下足袋は先割れなしタイプです。
先割れタイプのように親指は可動しませんが、靴のような先丸タイプに比べて、地面の感触やつま先への微妙な力加減ができます。
親指の可動にこだわりがなければ、先割れなしタイプで十分だと思います。
先丸タイプ
先丸安全スパイクジョブ I-101 荘快堂 黒 24-28cm マジック 鋼製先芯
地下足袋がしっくりこない人には、普通の靴のような先丸タイプがあります。
スパイク地下足袋というより、スパイク付きのブーツという感じです。
地下足袋が苦手で、ウエーディングシューズを愛用している人には先丸タイプが良いかも知れません。
先芯なしタイプ
スパイク地下足袋はスペックに「先芯入り」と書いてなければ、つま先を保護するための芯が入っていません。
沢登りでは、うっかり岩につま先をぶつけることがありますが、スパイク地下足袋は通常の地下足袋に比べて作りが頑丈に出来ていますので、先芯なしタイプでも実用上まったく問題はありません。
先芯入りタイプ
地下足袋 荘快堂 安全スパイク地下たび 大馳8枚 / I-15-8
つま先を鉄芯や樹脂の芯で保護した先芯入りタイプがあります。写真のものは鉄芯入りです。
つま先を落下物や草刈り機から保護する目的のものですが、沢登りではつま先を打撲から守るアイテムになりそうです。
糊高加工タイプ
スパイク地下たび 大馳8枚 荘快堂 I-10-8 黒 23-30cm
糊高加工とは、地下足袋のアッパー部分まで広くゴム引き加工したタイプです。
糊高加工によって、浅い水たまり程度なら防水効果がありますが、沢登りではどうせ水の中に入りますので防水は意味がありません。
しかし、糊高加工タイプは糊高加工していないタイプに比べ、ソールのサイド部分のゴムの接着が剥がれにくいので、沢登りではおすすめです。
現在販売されているスパイク地下足袋のほとんどは糊高加工タイプです。
糊高なしタイプ
現在販売されているスパイク地下足袋ではほとんど見なくなりましたが、写真のような糊高加工されていないタイプがあります。
ソールのサイドのゴムは糊高加工タイプに比べ、やや剥がれやすいです。(写真下)
しかし、スパイクの摩耗とゴムの剥がれは同時進行しますので、ゴムが剥がれて使用できなくなるころには、スパイクも寿命を迎えますのでそんなに気にするところではありません。
ダブルピンタイプ
ダブルピンタイプとは、スパイクピンがホチキスの針のようにコの字型になってソールに埋まっているタイプのものです。
上の写真は壮快堂スパイクジョブI-101の説明ですが、ダブルピンの構造がとてもわかりやすいので引用させてもらいました。
現在販売されているほとんどのスパイク地下足袋はこのダブルピン方式です。
ダブルピンはピンが抜けづらいということなのですが、何度も沢登りに使用していると2,3個は脱落してしまいます。
この写真は「力王スパイク地下足袋SPK8」のものですが、これは購入してたった1回沢登りに使用しただけで、ダブルピンが1個きれいに脱落しました。
不良品だったのか、ゴムの加工がもともと甘かったのかわかりませんが、同時期に同じものを購入した登山クラブのメンバーも1回の使用であちこちにゴムの剥がれが出ていました。力王のスパイク地下足袋は安くて良いのですが注意が必要です。
独立ピンタイプ
既に紹介した、日進ゴムのスパイク地下足袋はダブルピンではなく、独立ピンを特殊な加工でソールに埋め込んでいます。
筆者は丸五(ダブルピン)、力王(ダブルピン)、日進ゴム(独立ピン)を使用していますが、日進ゴムの独立ピンはピンが摩耗して寿命が来るまで1本も脱落しませんでした。
日進の独立ピンは1箇所に細いピンが2本埋まっていて、岩やぬめりに対するフリクションは他社のダブルピンより高いのですが、摩耗がやや早いのが残念なところです。
ゴムピンタイプ
ゴムピンスパイク地下足袋 大馳8枚 荘快堂 I−20−8 黒 23-28cm
スパイク地下足袋にはスパイクがゴムで出来ているものがあります。
ゴムピンスパイクは資材や床などを傷付けないための地下足袋です。
ゴムピンは鉄製のピンに比べると、効きも耐久性も劣ります。
外見上は、鉄製のスパイク地下足袋に見えますので、購入するときは間違わないよう注意が必要です。
まとめ
スパイク地下足袋の選び方はそれぞれの特徴をよく理解した上で、耐久性が高く、値段が手頃なものにしたいところです。
スパイク地下足袋は沢登りに10回程度使用すると、スパイクが減って沢登りでは滑るようになります。(スパイクが減ったあとは普通の登山に使うこともできます)
フエルト底の沢靴も通常10回程度の使用でソール交換が必要になり、交換費用は業者依頼で10000円ほどかかりますので(DIYで交換する場合、交換用フエルトは3000円程度)、価格が4000円~5000円程度のスパイク地下足袋は、ランニングコスト的には決して高くはありません。
筆者のおすすめは、耐久性が高い「日進」、耐久性は日進より落ちますが、価格が安い「丸五」です。
また、「荘快堂」の商品は、ラインナップが充実していて魅力があります。
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