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元山岳部部長の登山講座

ヒグマとの遭遇をイメージできる!ベアーマウンテンの魅力

ヒグマとの遭遇をイメージできる!ベアーマウンテンの魅力

北海道新得町にあるサホロリゾートベアーマウンテンでは、佐幌岳の裾野に広がる山林の中でヒグマを自然に近い形で飼育しています。

ここでは、安全な遊歩道からヒグマの様々な行動を見学することができます。

今回は、自然に近いヒグマの行動を見学できる、ベアーマウンテンについて紹介します。




登山中にヒグマが恐い!でもイメージができない。

北海道の山を登りたければ、ヒグマに関する知識が必要です。

当サイトでもヒグマ対策については、何度も紹介していますが(「最新ヒグマ対策のまとめ~正しい対処法が身を守る」、「クマよけスプレーの選び方」など)、ヒグマの知識がついても、実際のヒグマはどんなふうに歩くのか、どんな臭いがするのか、どんな足音がするのかなどは、遭遇でもしない限りわかりません。

動物園やクマ牧場に行けば、ヒグマを見ることはできますが、檻の中のヒグマを見ても、自然の中でどんな動きをするのかは想像できません。

ベアーマウンテンでは山林の中で自由に動きまわるヒグマを見学できます。

野生のヒグマを少しでもイメージできるの場所が、ベアーマウンテンです。

ここで、ヒグマを見学することは、ヒグマの多い山域に入る場合の良いイメージトレーニングになります。



ベアーマウンテンのヒグマたちの様子~ヤブを歩く音、におい、背こすりも

ベアーマウンテンは15ヘクタールの山林の中でヒグマの雄の成獣11頭を放し飼いにしています。

敷地の中は、林道がある以外は、ほとんど手が加えられていない普通の山林で、外部の山林との境界に高いフェンスが設置されています。

飼育係の自動車を追うヒグマ

敷地の真ん中には全長370m高さ5mの遊歩道があって、ここを歩きながらヒグマを散策するコースと、鉄格子のついたバスに乗り、説明を聞きながら林道をゆっくり走るコースがあります。

遊歩道からヒグマを見おろす

目が慣れないと、なかなかヒグマを発見することはできませんが、慣れてくると、笹やぶの隙間などに潜むヒグマを発見することができます。

遊歩道の近くにヒグマがいると、けもの臭を感じることもできます。

運がよければ、笹やぶをガサガサ歩く音や、幹に背こすりをする様子も見ることができます。

背こすりをはじめたヒグマ

敷地中央には展示パネルなどがある建物(ベア―ポイント)があり、ガラス越しですが、間近にヒグマを観察することができます。

ガラス越しにヒグマを見る

 

登山中のヒグマとのニアミスを防ぐために

ベアーマウンテンを見学すると、自然の中ではヒグマは非常に見つけづらいことがわかります。

あれだけの巨体を持ちながら、森の中で気配を消して潜んでいると、すぐ近くにヒグマがいても気づきません。

歩くスピードは意外に速いこともわかります。

よく言われる「けもの臭」は、ヒグマが近くにいるとほんのりと臭います。個体差があるのかもしれませんが、意外にきつい臭いではないこともわかりました。

笹やぶを歩くヒグマの足音は、人が笹を漕ぐ音をややダイナミックにしたような音だということもわかりました。

このように、自然の中にいるヒグマを少しでも体感することによって、登山中にヒグマのサインを見つけるのための良いイメージトレーニングになります。

登山者にとっては、観光というより、ヒグマの勉強会になるのがベア―マウンテンの良さです。




プロフィール

フリーランサー。元船員(航海士)
学生時代に山岳部チーフリーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。
以来、北海道の山をオールシーズン、単独行にこだわり続け35年。
現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのライター。

※他サイトにおいて元山岳部部長を名乗る個人・団体が存在しますが、それらは当サイトとは一切関係ありませんのでご了承ください。



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