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元山岳部部長の登山講座

登山とキタキツネ対策~恐ろしいエキノコックス症

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キタキツネ

本州などに生息するホンドギツネよりやや大きく、

北海道では高山帯から平地まで広く生息している。

そして北海道でキタキツネといえばエキノコックスという寄生虫の問題があります。

そんなキタキツネについて今回は説明します。

 

笑えないキタキツネのいたずら

キツネは標高の高い場所ではあまり見かけず、ほとんどは山林や原野などにいるものだと思っていました。

なので登山者にとってキツネはさほど直接的に害のないものと認識していました。

ところが表大雪を縦走途中のある幕営地(標高は1700mほどの場所)で山小屋の管理人から到着するなり注意を受けたことがあります。

それは、最近キツネが出没するようになり、夜間にテントの外に置いてある登山靴をキツネが持って行くことがあるのでテントの中へしまうよう指導されたのです。

昔はそのようなことはなかったのになあと思いつつ、これも登山人口の増加によるものか・・。と感じたものです。

ともあれ、登山中に靴を奪われたのでは靴下だけで下山することになるし、キツネに登山靴を奪われましたと救助要請するのも格好が悪い。

以来、大雪に限らず幕営中は登山靴も装備品もテント内に納めることにしています。

 

エキノコックス

さて、命にかかわる問題としてエキノコックスについて触れます。

エキノコックスはキタキツネの体内に寄生していて、キツネの糞と一緒にその卵が放出されます。

卵(肉眼では見えない大きさ)は水や山菜などを介して人間が飲み込むことで経口感染し、感染すると体内で幼虫となったエキノコックスは肝臓に寄生します。

自覚症状が表れるまで約10年の潜伏期間があります。

治療は患部の摘出以外はないそうで、寄生された場所や患部の大きさによっては命にかかわることになるのです。

沢水などは煮沸してから飲まないと感染の危険があります。

最も多くの患者が出た事例は生活用水としてエキノコックスに汚染された水を飲んでいたことによるものですが、山で飲む一口の沢水にエキノコックスの卵が入っていないとも限りません。

自分も沢登りの時に冷たい沢水はおいしいのでついつい飲んでしまいますが、感染しても自己責任としか言いようがありません。

実際、北海道では現在でも年間10数名の感染者が出ています。

 

エキノコックス検査

北海道内の山で沢水を生で飲んでしまった、どうしよう・・・。

と心配な人は道内の市町村ならほとんどのところで無料で検査(血液検査)を毎年実施しており結果を通知してくれるので市役所に問い合わせるとよいでしょう。

潜伏期間を考慮して5年に一回は検査をすることが望ましいです。

早期発見すれば大事には至らないと言われてます。

私も定期的に検査を受けています。

 

エキノコックス検査結果の通知

エキノコックス

なお、本州にお住まいの方も有料で検査を受けられるらしいので受けてみたい方は

「エキノコックス」で検索すると北海道庁のHPがヒットし検査方法の詳細がわかるので参考まで。

看板(下)

平成28年6月

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プロフィール



初登山は雌阿寒岳。

学生時代に山岳部リーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。

以来、北海道の山を舞台にオールシーズン単独行にこだわり続け30年。

現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのアマチュア登山者。



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