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元山岳部部長の登山講座

登山とスズメバチ対策

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山は野生動物が住む領域なので、様々な動物について知っておく必要があります。

登山中に特に注意しなければならない動物は3つあります。

  • スズメバチ
  • クマ(ヒグマ)
  • キツネ

です。

今回は「スズメバチ」について説明します。

 

一番こわいもの

3つの中で、一番恐いものはスズメバチです。

スズメバチ

特に夏の終わりころから秋にかけて事故が多発しています。

詳しい理由は知りませんが、夏~秋はスズメバチにとって攻撃性が高まる時期と言われています。

 

スズメバチが1番恐い理由は、スズメバチの毒でアナフィラキシーショックを起こし、死亡したり、行動困難に陥ることがあるからです。

そして、どこに巣があるのか予測ができないことと、当たり前ですが昆虫なので何を考えているのか行動の予測ができないことです。

 

通常、巣の周囲には周囲を警戒をするスズメバチが数匹いて、一定エリアに人が入いると、2匹くらいのスズメバチが直ちに威嚇や攻撃を仕掛けてきます。

まるで戦闘機のスクランブル発進みたいです。

 

スズメバチは地面にも巣を作ることがあるそうで、うっかり巣の近くを踏んでしまうと、スクランブルではなく総攻撃を受けることもあります。

 

アナフィラキシーショック

アナフィラキシーショックについては、スズメバチに2回刺されると死ぬ、なんてよく言われています。

それは、1回目に刺された時にスズメバチの毒によりスズメバチアレルギー体質になってしまい、2回目に刺された時にそのアレルギーによる全身症状で死亡するというものです。

1回目でもアナフィラキシーショックを起こす人もいれば、2回目でも死なない人もいます。

とても恐ろしく、不安になってしまいますが、実際、ヘビやクマに襲われて死亡する人の数よりスズメバチに刺されて死亡する数の方がずっと多いようです。

 

スズメバチの攻撃対象~「黒い物」「ひらひらするもの」

攻撃

スズメバチ対策として、覚えておきたいことは2つあります。

ひとつはスズメバチは「黒いもの」を攻撃すること、もうひとつは「ひらひらと動くもの」にも攻撃をするということです。

ひらひらするもの

実際の話ですが、9月の雄阿寒岳(1370m)でスズメバチに襲われたことがありますが、その時、パーティーの中で刺されたのはひとりだけでした。(しかもお尻です。)

その人とほかのメンバーの服装には違いがありました。

その人だけ白い毛皮の尻当てをしていて、歩く度にお尻付近を尻当てがひらひらしていたのです。なので、お尻を刺されたのではないかと推測されます。

その事故があった翌週、再び雄阿寒岳を訪れたのですが、今度は私が右手を刺されました。

刺されたのはメンバーの中で私だけでした。

刺された時、私とほかのメンバーでは服装と行動に違いがありました。

私だけ白い軍手を着けていて、登山道が開けた場所にさしかかった時に、開放感から無意味に腕を大きく振りながら歩いていたということです。

白い軍手が前後する動きにスズメバチが反応したではないのかと思います。

この2つの共通点は「ひらひら動くもの」を襲っているということです。

黒いものは狙われる

黒

それと、黒いものを襲うという話について。

私が黒い色のクルマを運転していた時の話ですが、

8月の天塩岳(1558m)の登山口でたくさんのスズメバチがクルマを取り巻き、クルマのボディに体当たりを始め、いつまで経ってもいなくならないので、登山を中止したことがあります。

同じく、黒いクルマで林道を走っていた時、クルマがスタックしてしまい、状況を確認しようとクルマから出ようとしたのですが、数匹のスズメバチがクルマを取り巻いたため、クルマから出られなくなり立ち往生したこともあります。

2つの共通点は、黒いものに反応したと思われることです。

スズメバチは白くて動かないものには攻撃しないと聞きます。

実際、蜂関係の業者は白い防護服を着用しています。

 

まとめると、スズメバチのいる場所では、ひらひらするものを身に着けたり、大きな動きをしない、黒い服装を避けるということです。

もし登山道でスズメバチに出くわし、威嚇されたら、「それ以上巣に近づくな」ということらしいので、じっと動かず、ゆっくりとスズメバチから距離をとることが有効です。

 

刺された!!!

もし、いきなり刺されてしまったら、患部はしつこく口で毒を吸い出したり、水で洗い流したりします。

そして、その日の登山は中止することです。

私は下山中に刺されましたが、右手を刺されて約30分で右半身にしびれがきたのを思い出します。

痛さは例えるなら焼き鳥の竹串で手を貫通させてしまったような感じの痛みでした。ものすごく痛いです。

お尻を刺された人は登りの途中だったのですが、その後体調が悪くなり、あぶら汗をかきながら登山をしていました。

 

蜂にさされたら、「ポイズンリムーバー」と呼ばれる注射器のような形をした携帯用毒吸いポンプも登山用品店などで購入できるので、口で毒を吸えない場所には非常に有効です。

蜂の毒以外にも虫さされの毒吸いには有効だし、値段もそんなに高くないし、プラスチック製でとても軽いものなので、登山装備に加えても実用性は十分あると思います。

 

一度刺されてからは、次刺されたれ死ぬかもしれないという恐怖が生まれます。

そこで不安を払拭するために蜂アレルギー検査を行うことができます。

皮膚科で普通に検査をしてくれるし、費用も手間もそんなにかからないので、スズメバチが不安な方は検査をおすすめします。

こんな感じで検査結果をもらえます

上は私がスズメバチに一度刺されたあとに皮膚科で検査した結果です。

表の数値はよくわかりませんが、スズメバチアレルギーなし!とのことでした。

やれやれです( ̄▽ ̄;)

看板(下)

平成28年5月

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プロフィール



初登山は雌阿寒岳。

学生時代に山岳部リーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。

以来、北海道の山を舞台にオールシーズン単独行にこだわり続け30年。

現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのアマチュア登山者。



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