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失敗しないクマよけスプレーの選び方!

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失敗しないクマよけスプレーの選び方

雪解けシーズンは毎年のようにヒグマの目撃ニュースが報じられます。

今月、北海道標茶町で山菜取りの男性が子連れのヒグマに襲われる事故が発生しました。

登山や山菜取りで山に入る場合は、ヒグマとの接触に備える心構えが必要です。

今回は、ヒグマに襲われそうになった場合、現在一番有効な対処法とされているクマよけスプレーの選び方と使用方法について説明します。

 

ヒグマに遭わないようにする。出会ったら背を向けて逃げない

まずは、ヒグマに遭わないようにしなければいけません。

なんの警戒心もなく山に入る人と、ヒグマの存在に気を着ける人では差があります。

山菜取りなどに夢中になっていると、ヒグマの残した、糞、足跡、木の幹の爪痕、獣の臭いなどに気づけないことがあります。

過度に警戒する必要はありませんが、誰にでもわかるような真新しいヒグマの痕跡を見つけたら、登山や山菜取りを中止するなどして、ヒグマとの接触を避けるようにします。

それでも、ヒグマに出会ってしまったら、絶対に背を向けて逃げてはいけません。

ヒグマには背を向けて逃げるものを襲う性質があります。

クマの目を見てじっと動かずにいれば、クマの方から立ち去ってくれるケースが比較的多いようです。

ヒグマが立ち去らずに接近してきたら、持っている帽子や釣り竿など、なにか物を投げるとヒグマはその物に興味を示すので、その隙に距離を取る、これを繰り返しながら逃げ切る方法もあります。

それでも、接近してきて襲われそうになったら、覚悟を決めてナタなどで格闘する(比較的生還率はあります)か、現在一番有効とされているのが「クマよけスプレー」を噴射して撃退する方法です。

なお、子連れのヒグマはいい確率で襲ってきますので、子熊を見つけたら直ちにその場から立ち去らなければいけません。

 

クマよけスプレーの効果

販売されているクマよけスプレーは北米のグリズリーに対して効果のあるものなので、当初はヒグマへの効果については懐疑的な部分もありましたが、登別クマ牧場での実験や、ヒグマ研究家による野生のヒグマへの複数の使用例では忌避効果が報告されていますので、現在のところヒグマに接触して襲われそうになった場合の一番有効な手段だと言えます。

ナタで鼻付近を集中的に叩いたり、切りつける方法で生還した例も複数ありますが、死亡例もあります。

今のところ、クマよけスプレーの使用例は少ないですが、使用しても襲われたという報告もありません。ナタで格闘するのは最後の手段として、その前にクマよけスプレーで撃退するのが現実的です。

 

クマよけスプレーの選び方と正しい使用法

現在、市販されているクマよけスプレーは、「カウンターアソールト」「ガードアラスカ」「ベア―アタック」「UDAP」の4つになります。

いずれもトウガラシを成分とするスプレーで、噴射距離、噴射時間がそれぞれ違います。

また、有効期限は3年程度ですので購入時はよく確認して、間違って古いものを買わされないよう気をつけます。

使い方はどれも一緒で、プラスチック製の安全装置をはずし、引き金を押すだけです。

スプレーは広がらず、直進性があります。

クマの顔面に正確にヒットさせる必要がありますので、約5mくらいまでクマを引きつけてからよく狙ってスプレーします。

クマが風上にいる時には、スプレーが自分に返ってきますので、風向きには十分注意が必要です。

 

カウンターアソールト

筆者は現在これのストロンガーを使用しています。

カウンターアソールトは現在市販されているクマよけスプレーの中では一番射程距離が長いと言われているスプレーです。

カウンターアソールトには「カウンターアソールト」と「カウンターアソールト ストロンガー」があります。

ストロンガーの方が噴射距離、時間ともに長くなっています。

専用ホルダーは非常にしっかり作られていて、やぶこぎをしてもふたが外れて誤射するようなことはありません。

カウンターアソールト

カウンターアソールトストロンガーと専用ホルダー

 

  • 内容量 230g(ストロンガー290g)
  • 噴射距離 9m(ストロンガー10.5m)
  • 噴射時間 7.2秒(ストロンガー9.2秒)
  • 有効期限 4年
  • 価格 10000円程度(ストロンガー13000円程度)
  • 専用ホルダー 3000円程度(ホルダーはストロンガーと共用(ゴムが伸びます)です)

OUTBACK 熊撃退スプレー カウンターアソールト・ストロンガー 携帯ホルスターセット

ガードアラスカ

カウンターアソールトよりも噴射距離は短くなっています。

  • 内容量 255g
  • 噴射距離 5~8m
  • 噴射時間 5~7秒
  • 有効期限 3年
  • 価格 10000円程度
  • 専用ホルダー 3000円程度

ガードアラスカ®コンボパック/ FreeベルトループBallisticホルスター

 

ベア―アタック

こちらも、カウンターアソールトより噴射距離が短くなっています。内容量は少なめですが、値段は手ごろです。

  • 内容量 220g
  • 噴射距離 5~8m
  • 噴射時間 5~7秒
  • 有効期限 3~4年
  • 価格 9000円程度(専用ホルダー付き)

【BEAR ATTACK/ベアーアタック】 クマ撃退スプレー(専用ケース付) 

 

UDAP ペッパーパワー

内容量と噴射距離の割に値段が安い商品です。画像で見る限り専用ホルダーは引き金部が覆われていないように見えます。枝などに引っ掛けて誤射させることがないよう工夫が必要だと思われます。

  • 内容量 260g
  • 噴射距離 9m
  • 噴射時間 -
  • 有効期限 5年
  • 価格 9000円程度(専用ホルダー付き)

UDAP 熊撃退スプレー ホルスター付 (アメリカ森林警備隊採用品)正規輸入品

 

有効期限について

クマよけスプレーの有効期限は概ね3年程度とされています。

これは、中身の成分がほどんど変質しませんが、ガス圧が下がるなどが考えられるために、有効期限を少なめに取っていると言われています。

保存状態がよければ、10年経っても使用可能とも言われています。

筆者は購入から10年(その間、月1回以上は登山に携行)を経過した「ガードアラスカ」の自宅の前でテストしてみました。

テストの結果、噴射距離は5m程度で、スプレーには直進性があり、赤い帯状の成分がまっすぐに噴射されました。

10年経ってもガス圧はほどんど抜けていないと思われます。

そして、噴射した赤い帯状の成分が散る前に、目を開けてその中に顔を突っ込んでみましたが、途端に目の痛みと涙と鼻水で視界が奪われ、家の玄関までやっとの思いでたどりつくほどでした。

10年経っても、見てわかるほどの成分の劣化はないようです。おそらくクマに対しても使用可能ではないかと推測します。

個人的には3年で買い替えは少々もったいないと考えます。

5年で買い替えるのが安全圏だと思いますが、筆者は5年目でテストをして噴射距離を確認し、大丈夫なら10年目で買い替えを行っています。

 

まとめ

どの商品もクマに効かないということはないようです。

予算や専用ホルダーの形状で決めるのが良いと思います。

中でも「カウンターアソールトストロンガー」は噴射距離、噴射時間ともに長く、国内では使用実績もあり、ホルダーもしっかりしていますので、おすすめです。

OUTBACKカウンターアソールト・ストロンガー携帯ホルスターセット

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プロフィール



初登山は雌阿寒岳。

学生時代に山岳部リーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。

以来、北海道の山を舞台にオールシーズン単独行にこだわり続け30年。

現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのアマチュア登山者。



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