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元山岳部部長の登山講座

虫よけ比較!パーフェクトポーションとハッカ油どちらが効くのか?

登山用虫よけグッズとして、蚊やブヨなどに対して高い忌避効果を誇る「ハッカ油」ですが、ここ数年、登山専門店などの虫よけコーナーに、「パーフェクトポーション アウトドアボディスプレーエクストラ」という商品が多く並ぶようになりました。

登山中にすれ違う登山者から、ハッカ油の香りがすることがよくありますが、最近は「パーフェクトポーション」の香り(淡い柑橘系の香水のようないい香り)がする登山者も多くなりました。

今回は登山用虫よけスプレーとして近年勢いが増しつつある「パーフェクトポーション」の実際の虫よけ効果や、ハッカ油との効果の違いなどについて検証していきます。




「虫よけ」とは書いていないのに虫よけ効果がある「パーフェクトポーション」とは

パーフェクトポーションアウトドアボディスプレーエクストラ50ml

パーフェクトポーションの公式サイトを見ると、洗顔、化粧水、美容オイルなどたくさんの商品があります。

ラインナップの中には、虫よけ用のスプレー(空間スプレー用)もありますが、今回紹介するのは、肌に直接スプレーする、「パーフェクトポーション アウトドアボディスプレーエクストラ」です。

この商品には50ml入りと125ml入りがありますが、50ml入りは手のひらに収まるサイズで登山には携帯しやすいと思います。

50ml入り。携帯しやすい手のひらサイズ。

ボトルの材質はペットボトル(PET)です。

ボトル底部にPETのマーク。

ラベルの説明には、「・・爽やかな香りのボディースプレー」と書いてあり、虫よけ効果があるとは一言も書いてありませんが、なぜかアウトドア用品店の虫よけコーナーにこの商品が並んでいるのをよく見ます。

成分を見ると、コウスイガヤ油(=シトロネラグラス)、西洋ハッカ油(=ペパーミント)、ティーツリー葉油、ユーカリ葉油、メラレウカビリジフロラ葉油・・などが含まれており、これらのオイルには一般的に虫よけや抗菌効果があるとされている成分が含まれています。

ラベルの説明。虫よけとは書いていない。

注意書き。

いわゆる植物由来の虫よけ成分が複数含まれている精油のスプレーということになりますが、虫よけ成分が含まれていると言っても、この種の精油には、虫の種類によっては効果がある場合やない場合、逆に虫を誘引する場合などもあり、各成分の比率についても明記されていませんので、虫よけ効果については一口では言えないところです。

実際の登山に使用して虫よけ効果を確認してみるしかありません。



パーフェクトポーションがやや有利か?ハッカ油との虫よけ効果を比較!

実験は8月、カムイエクウチカウシ山への行程の途中である、札内川本流と八ノ沢で行い、登山クラブのTさんに協力してもらいました。

札内川本流~八ノ沢は沢と笹ヤブばかりなので、蚊、ブヨ、ヌカカなどの虫が多く、虫よけ実験には良好です。

登山コースの様子(札内川本流)

比較実験に使用したのは、「パーフェクトポーション アウトドアボディスプレーエクストラ(以後、単にパーフェクトポーションと呼びます)」と「ハッカ油(原液)スプレー」です。

実験方法ですが、まず、Tさんがパーフェクトポーション、筆者がハッカ油をそれぞれが同じ部位(帽子、襟元、体幹部)に同じ回数だけスプレーして、虫よけ効果を比較します。

その後1時間程度経過して、スプレーの効果が両者ともほぼなくなったところで、今度はTさんがハッカ油、筆者がパーフェクトポーションを同じようにスプレーするという方法です。

これを目的地に着くまで数回繰り返して、効果を比較することにしました。

蚊、ブヨ、ヌカカに対して効果はほぼ互角

Tさんがパーフェクトポーション、筆者がハッカ油で実験開始、この日は現場の気温が26℃前後とやや暑いコンディションで、蚊やブヨは多くもなく、少なくもなく、適度にいるといったところです

パーフェクトポーションをスプレーするTさん

ハッカ油をスプレーする筆者

実験前は、顔や上半身周辺にブヨ、ヌカカ(すごく小さいが刺されるとものすごく痒い)がランダムに飛び回っていましたが、Tさんと筆者がそれぞれスプレーをすると飛び回る虫は途端に寄り付かなくなりました。

巻き道の笹ヤブには蚊が飛んでいましたが、パーフェクトポーション、ハッカ油ともに蚊の寄り付きはありませんでした。

効果の持続時間ですが、両者ともにスプレーしてから10分~15分程度すると虫が寄り付き出すという感じでしたが、筆者のハッカ油が全然効かなくなった後でも、Tさんのパーフェクトポーションはハッカ油に比べ、虫の寄り付きはやや少なく感じました。

1時間ほどして、Tさんとスプレーを交換しましたが、結果は交換前と同じで、スプレー直後は両者ともに虫の寄り付きはなくなり、10分~15分ほどすると虫が寄りついてきます。

しかし、Tさんのハッカ油の効果がなくなった後でも、筆者のパーフェクトポーションは虫の寄り付きがやや少なく感じました。

結果は、両者とも蚊、ブヨ、ヌカカに対する虫よけ効果はほぼ互角でしたが、パーフェクトポーションの方が、やや持続時間が長いように感じられました。

ハッカ油はアブに弱い?パーフェクトポーションはアブにも効果大

実験の前半、ハッカ油をスプレーした筆者にアブが付きまとう場面がありました。

他の虫は寄り付かないのに、アブだけが付いてきます。

うるさいので、ハッカ油を更にスプレーしましたが、アブはまだ付いてきます。

この種のハーブ系虫よけスプレーには、虫の種類によっては効果がない、誘引効果があるなどが言われますが、ハッカ油はアブに対しては蚊やブヨより効果が薄いのではないかと感じられました。

この時、パーフェクトポーションをスプレーしているTさんにはアブは寄り付きませんでしたので、Tさんからパーフェクトポーションを借りて2~3回スプレーしてみたところ、途端にアブは寄り付かなくなりました。

ハッカ油は虫よけ効果が高く万能と言われますが、今回の実験ではアブへの忌避効果は高いというわけではないという結果が出ました。

一方、パーフェクトポーションはハッカ油同様、虫よけ効果が高い上にアブにも十分な忌避効果があることがわかりました。

メマトイにはどちらも効果は高くない

沢を歩いていると、メマトイ(刺さないが目じりに止まって涙を吸うハエの仲間)がよく現れます。

メマトイはブヨに似ていて、ぱっと見ではどちらか判別がつかないのですが、やたらに目を狙ってくる割には刺されないということでメマトイだとわかります。

パーフェクトポーションもハッカ油も、蚊、ブヨ、ヌカカには効果が高いのですが、両者ともメマトイについては全然効かないわけではありませんが、顔周辺にたっぷりスプレーしても数分ですぐに寄り付いてきます。

メマトイについては、ハッカ油、パーフェクトポーション、どちらも効果は高くはないことがわかりました。



匂いと肌への刺激は

ハッカ油は主成分がメントールなので、スースーしますし、香りは強めです。

筆者は虫よけ効果を高めるためにハッカ油は薄めず、原液を100均のガラス製スプレーボトルに入れて使用していますが(ハッカ油はポリスチレンを溶かします)、肌への刺激が強く、ビリビリしますので、地肌には直接スプレーせず、服の上からスプレーします。(ハッカ油の希釈の仕方やスプレーボトルについて詳しくは、「手作りハッカ油スプレーの作り方」を読んでみて下さい。)

また、服の上からスプレーしたとしても、一か所に多くかかってしまうと服を貫通してスースーしてきます。

顔面周辺にスプレーする時には、目に入らないよう特に気をつけています。

パーフェクトポーションですが、数種類のハーブ系オイルが混合されており、淡い香水のような、柑橘系のような、爽やかな香りがします。

ハッカ油のように香りは強くありませんので、一見して本当に虫に効くのだろうか?と思ってしまいます。

肌への刺激ですが、ボディスプレーというだけあって、直接地肌にスプレーしてもビリビリするようなことはなく、ほんの少しスーっとする感じです。

万一目に入っても、ハッカ油のように痛くて目が開けられないほどではなく、目がスースーする感じです。(ラベルの説明には顔や目の周りには使用しないと書いてあります。)

ちなみに、どんなものか顔面にスプレーしてみましたが、筆者の場合、目じりを中心に顔がややひりひりする程度で、顔を洗浄しなければならないほどの刺激はありませんでした。

天然成分で、生後6か月の赤ちゃんから妊婦さんまで使用出来るということですが、刺激がまったくないわけではないので、極端に肌の弱い人は服の上からスプレーするなどの工夫が必要になると思います。

香りや刺激については好みがあると思いますが、ハッカ油の刺激的な香りが好みの人にはハッカ油だと思いますし、柔らかい香りが好みであれば、パーフェクトポーションになると思います。

 

ランニングコストではパーフェクトポーション

夏山シーズン中の登山日数が多い場合、ハッカ油などの虫よけ剤はどんどん減っていきますので、ランニングコストがかからない工夫を考えてみます。

筆者は現在夏山1シーズンで延べ20日間程度登山をしており、虫よけにはハッカ油原液をスプレーボトルに入れて使用しています。

コースに沢があるなど、比較的虫が多い山の登山が中心ですが、1シーズンの合計消費量は65ml程度です。

65mlを20日間で割ると、1日の消費量は3.25ml程度ということになりますが、これはスプレーボトルを30~40回プッシュする量ということになります。

例えば、15mlの手のひらサイズのスプレーボトルを満タンにすれば登山に約4.5回は使用できる感じです。

ハッカ油やパーフェクトポーションは、小さなスプレーボトル入りの商品も販売されていますが、なるべくまとめ買いや大瓶で買って、スプレーボトルに詰め替えて使用した方がお得です。

そこで、それぞれ代表的な商品、1mlあたりの単価を出して比較してみることにします。(価格はネット上での平均的な価格です)


北見ハッカ通商 ハッカ油ビン 10ml スプレー


【食品添加物】ハッカ油P 20ml(アロマ・お風呂・虫よけ)


ハッカ油 30ml - 芦屋化粧品 [ペパーミント][虫除け]


日本製 天然ハッカ油(ハッカオイル) 200ml 中栓付き


パフェクトポーション(perfectpotion) アウトドアボディスプレー エクストラ50ml(リニューアル品)


パフェクトポーション(perfectpotion) アウトドアボディスプレー エクストラ125ml(リニューアル品)


ボディミスト パーフェクトポーション アウトドア ボディスプレー 125ml 3本セット PERFECT POTION

  • 北見通商ハッカ油スプレー      10ml入 1300円程度 1mlあたり約130円
  • 健栄製薬ハッカ油          20ml入 1000円程度 1mlあたり約50円
  • 芦屋化粧品ハッカ油         30ml入 1000円程度 1mlあたり約33.3円
  • 天然ハッカ油          200ml入 2600円程度 1mlあたり約13円
  • パーフェクトポーション       50ml入   700円程度 1mlあたり約14円
  • パーフェクトポーション     125ml入 1600円程度 1mlあたり約12.8円
  • パーフェクトポーション125ml×3本セット 4600円程度 1mlあたり約12.3円

全体的にパーフェクトポーションの方がハッカ油よりもコスパがよく、上記の比較ではパーフェクトポーション125ml×3本セットが一番お得ということになります。(メーカー公式HPでは5本セットも存在します)

ハッカ油では天然ハッカ油200ml(ブランド不明)がパーフェクトポーションに迫る安さです。

通販の場合、送料を加味しなければなりませんが、本体価格を見る限り、ランニングコストではパーフェクトポーションの方が有利と言えます。

※スプレーボトル選びの注意点:ハッカ油については、ポリスチレン(PS)を溶かしてしまうのでポリスチレン以外の容器を使用することになりますが、材質がよくわからない場合にはガラス容器を選ぶと間違いありません。パーフェクトポーションについては、何かを溶かしてしまうということは書かれていませんが、成分に西洋ハッカ油などの精油やエタノールが含まれていますのでボトル選びには注意が必要です。パーフェクトポーションの純正スプレーボトルの材質はペット(PET)ですので、ペットボトル製の容器で大丈夫だと思いますが、こちらも材質がよくわからない場合にはガラス容器を選ぶと間違いありません。スプレーボトルは100均で売っていて、大きさは10ml~30ml程度が登山では邪魔になりません。パーフェクトポーション50mlはそのまま携帯しても邪魔にならない大きさですが、パーフェクトポーション125mlは登山に携帯するにはやや大きいと思いますので、別途スプレーボトルに移し替えて携帯するのが良いと思います。



結局どちらが良いのか?

虫よけ効果の持続時間はハッカ油よりもパーフェクトポーションの方がやや長い感じがありましたが、実用上はほぼ互角と言って良いと思います。

忌避効果のある虫の種類については、今回の実験ではパーフェクトポーションの方がアブへの効果が高かった以外は、両者ともに差は出ませんでした。

価格については、パーフェクトポーションの方が単価が安くなります。

以上をまとめますと、登山用の虫よけにはパーフェクトポーションが有利ということになりますが、効果や価格の面で、ハッカ油と大差があるとまでは言えませんので、最終的には使う人の好みで決めることになりそうです。






プロフィール

フリーライター。元船員、航海士。
学生時代に山岳部リーダーを経験し、阿寒、知床、大雪を中心に活動。
以来、北海道の山をオールシーズン、単独行にこだわり続け35年。
現在は主に日高山脈をフィールドにしている山オタクのライター。

※他サイトにおいて元山岳部部長を名乗る個人・団体が存在しますが、それらは当サイトとは一切関係ありませんのでご了承ください。



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