20May
登山のダニ対策~ダニの取り方
春から初夏に笹やぶを漕ぐと、いい確率でマダニがつきます。
マダニに刺されると、がっちりと皮膚に食いつきますので、引っ張ってもなかなか取れないことがよくあります。
気持ち悪いですし、感染症のウイルスを持っているダニもいますので、早めに取り外します。
今回は、自分でできるダニの取り方について説明します。
当たり前ですが、基本は皮膚科へ!
ダニには、ウイルスを持っているやつ(ダニ媒介性脳炎、ライム病、SFTSなど)がいて、平成28年と平成29年にはダニ媒介性脳炎で死亡するケースもありました。(マダニの感染症の詳しい記事は「登山とダニ対策と感染症」を読んでみて下さい)
ダニを自分で取る方法は何種類かありますが、ダニを引っ張るときに、ダニをつぶしたり、ちぎれたりしてダニの体液が余計に残ってしまう場合が考えられます。
最善を考えれば皮膚科を受診するということになります。
自分でダニを取りたい!
皮膚科に行くのが一番安全なのですが、縦走中とかだったらダニが食いついたまま下山まで我慢するのか?という疑問もあります。
専門家は自分でダニを取るのは絶対ダメとしか言わないのでしょうが、感染リスクを考えたら、ダニに吸血され続けるのを我慢するより、さっさと自分でダニを取ってしまった方が良いのではないかと思います。
自分でダニを取る際に気をつけたいことですが、ダニは皮膚に食いついてから、時間が経てば経つほど深く皮膚に頭を突っ込んでいきますので、ダニの食いつきから時間が経過している場合、引っ張ってもダニはきれいに外れることはなく、ダニがちぎれて、ダニの口が皮膚に残ってしまう場合がほとんどです。
ですので、自分できれいにダニを取りたい場合は、ダニに食われた直後であることが肝心です。
食われたすぐ直後だと、手でつまんで、ゆっくり引っ張れば「プチっ」ときれいに外れます。
しかし、食われておおむね半日以上経つと、おもいっきり引っ張っても取れず、更に引っ張るとダニがちぎれます。
筆者は何度もダニに食われたことがありますが、ダニに食いつかれた部位が、神経の敏感な場所だった場合は、食われた瞬間、針で突かれたような「チクッ」とした痛みが走りますので、食われたことにすぐに気づき、直後に引っ張れば簡単に除去できますが、背中など神経の鈍感な部位に食いつかれた場合は、気づくのが遅れる場合があります。
具体例としては、ダニの食いつきから約10時間経過して発見した時のことですが(鎖骨付近を食われました)、ダニの頭部が完全に皮膚に埋没していて、手で引っ張れず、ピンセットで引っ張りましたが、ちぎれてダニの口が皮膚に残ってしまいました。(その後、ダニの口は裁縫用の針を使って自分でほじり出しました)
ダニに食いつかれた場合、時間経過によってはこのようなことがありますので、時間が経過している場合は皮膚科で取ってもらうか、自分で除去してみて、失敗したら皮膚科に行くのかを選択することになると思います。
次に、自分でダニを取る場合に、ダニが外れやすくなる方法ついて何種類か紹介します。
線香の火を近づける
線香に火をつけ、ダニの尻に近づけると、火が熱いためか、ダニがやや外れやすくなります。
アルコールを使う
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アルコール(消毒用エタノール、キッチンアルコールなど)を脱脂綿、ガーゼ、ティッシュなどに浸したものを食いついたダニの上に覆いかぶせます。
アルコールで麻痺するのか、ダニがやや外れやすくなります。
ワセリンを塗る
ワセリンや軟膏類(メンソレータム、ハンドクリームなど)をダニを覆うように、多めに塗ります。
呼吸できなくなるのか、ダニがやや外れやすくなります。
この方法で注意しなければならいのは、一度ワセリンを塗ってしまうと、ダニをつまんだ時につるつると滑るようになってしまうので、ダニを引っ張る時に力が入りづらくなります。ですので、ダニのサイズが小さい場合や、ダニの食いつきからある程度時間が経過して、食いつきが強くなってしまっている場合はおすすめできません。
ダニ取り専用器具を使用する
手で引っ張って取るのなら、専用器具を使用するという方法もあります。
外国製ですが、ダニ取り専用器具が売っています。
専用器具でダニを挟んでくるくる回すと、皮膚からサックリと抜くことができます。
サイズの大きなダニは、手でつまみやすいのですが、サイズが小さめのダニは手でつまみにくく、力が入らないので、このような器具があると便利でしょう。
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以上が自分でダニを取る方法ですが、どのような方法でダニを取るにしても、自分でダニを取る場合、肝心なのは早めにダニを除去するということです。
深く食いついて、どうしても取れない、引っ張ったらちぎれてしまったような場合は、皮膚科で除去してもらいます。
まとめ
主に、登山では笹やぶを漕ぐと必ずといっていいほどダニがつきます。
5月から7月中旬ころまでは、特に数が多くなります。
登山ルートで、このような場所を通過したあとは、既にダニがついたものと思っていれば、早めに気づくものです。
皮膚を這われるとモゾモゾしますし、食いつかれると「チクッ」とします。
ダニに気づかなかった場合は、1日の行動が終わったら体の柔らかい部分(首筋、脇、腰付近、内腿など)をチェックしてみましょう。
食いついても、時間がそんなに経過していない場合、ゆっくり、丁寧に引っ張ればダニは取れます。
このように、ダニの存在を気にしていることが、早期発見につながりますので1番の対策になります。
ダニがつかないための具体的な対策については「登山とダニ(マダニ)対策」を読んでみて下さい。
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