熊よけスプレーの引き金部には安全クリップ(セーフティークリップ、安全装置)が付いていますが、安全クリップは、紛失してしまったり、破損してしまうことがあります。
安全クリップがない状態で携帯した場合、誤射の危険が高まりますので、なくしてしまった場合などは、すぐに別売りの安全クリップを購入しなければならなくなります。(熊よけスプレーの誤射で、警察に書類送検された事例があります。詳しくは「熊よけスプレー新幹線誤射事故~安全装置や運搬方法に注意!」を読んで見て下さい。)
安全クリップのスペアを購入する場合は、メーカーの純正品を購入すれば間違いないはずなのですが、メーカーによっては、製造時期などにより、若干、形状が違う場合があり、安全クリップが、はまりづらかったり、緩かったりして使用に適さないことがありますので、購入の際には注意が必要です。
本件については、R7年(2025年)4月現在、メーカーや個人の考察サイト、動画などでこれらの違いについての詳しい見解は見当たらない状況です。
今回は、熊よけスプレーの需要が高まっている状況を勘案し、熊よけスプレーの適正な使用と事故防止のため、安全クリップの種類や形状などについて深堀りしていくことにします。
熊よけスプレー各メーカー(米国4大メーカー)の安全クリップ
熊よけスプレーは、熊の研究の先進国アメリカで考案されたもので、現在、日本で販売されている熊よけスプレーのほとんどはアメリカ製です。
アメリカ国内で熊よけスプレーの品質などを管理している米国環境保護庁(EPA)が承認した、米国4大メーカーの安全クリップについて見てみることにします。
「カウンターアソールト」の安全クリップ~注意!購入時期によって2種類はある

左:CA230、右CA290(ストロンガー)
アマゾン 熊撃退スプレー カウンターアソールトCA230 ホルスター付
アマゾン 熊撃退スプレー カウンターアソールト・ストロンガーCA290 ホルスター付
カウンターアソールトの安全クリップは、輸入代理店のアウトバック社などから販売されており、サイズの実測値は以下のとおりとなっています。(この安全クリップを以後、Aタイプと呼ぶことにします。)

カウンターアソールト安全クリップAタイプの側面。

カウンターアソールト安全クリップAタイプの後面。
ほどんどのカウンターアソールトの安全クリップは、これと同じタイプだと思われますが、筆者が過去に購入したカウンターアソールトの中には、これと違う規格のものが混じっており、サイズの実測値は以下のとおりとなっています。(この安全クリップを以後、Bタイプと呼ぶことにします。)

カウンターアソールト安全クリップBタイプの側面。

カウンターアソールト安全クリップBタイプの後面。
AタイプとBタイプはサイズが僅かに違っていることがわかりましたが、違っているのはサイズだけではなく、形状も微妙に違い、その代表的な特徴は以下のとおりです。
AタイプとBタイプの安全クリップの形状の違い

カウンターアソールトの安全クリップAとB、形状の違い。
①Aタイプの安全クリップは、噴射レバーがはまる部分の後端の形状にアールが付いているのに対して、Bタイプの安全クリップの同部分の形状は角ばっている。
②Aタイプの安全クリップは、くさび部分の底辺部分がフラットなのに対して、Bタイプの安全クリップの同部分の形状はフラットではなく、先端部分にやや角度が付いている。
③Aタイプの安全クリップは、くさび部分の内側に、半円の突起が3つあるが、Bタイプの安全クリップの同部分には半円の突起はない。
④Aタイプの安全クリップは、くさび部分の後端に、脱落防止用のゴムを取り付けるための突起が付いていないが、Bタイプの安全クリップには付いている。(一部例外あり。Bタイプの安全クリップの中にはこの突起が付いていないものも存在する。)
また、安全クリップのAタイプとBタイプに適合するスプレーノズルの形状も明らかに違っており、その代表的な特徴は以下のとおりです。
AタイプとBタイプのスプレーノズルの形状の違い

カウンターアソールトのスプレーノズルAとB、形状の違い。
㋑Aタイプのスプレーノズルより、Bタイプのスプレーノズルの方が背がやや高い。
㋺Aタイプのスプレーノズルのグリップに指かけは付いていないが、Bタイプのスプレーノズルのグリップ下部にはグリップをホールドするための指かけが付いている。
㋩Aタイプのスプレーノズルの側面は、ほぼフラットは形状であるのに対して、Bタイプのスプレーノズルの側面には、横に2本の溝が入っている。
㋥Aタイプのスプレーノズルのグリップの内側にアイリングが付いているのに対して、Bタイプのスプレーノズルのグリップの内側にはアイリングが付いていない。
㋭Aタイプのスプレーノズルには刻印はないが、Bタイプのスプレーノズルの噴射口側から見て右側面に「US PATENT♯9.216.853」の刻印がある。
このように、カウンターアソールトの安全クリップには、Aタイプだけではなく、購入時期などによってはBタイプも存在しており、現行モデルが全てAタイプに統一されているとの情報も確認できませんので、スペアの安全クリップを購入する際は、安全クリップとスプレーノズルの形状をよく確認する必要があります。
ところで、安全クリップのAタイプとBタイプに互換性はあるのか?
次に、Aタイプの安全クリップをBタイプのスプレーノズルに、Bタイプの安全クリップをAタイプのスプレーノズルに装着して使用することが可能なのかどうかについて検証してみます。
下の画像は、Aタイプの安全クリップをBタイプのスプレーノズルに装着したところです。

Aタイプの安全クリップをBタイプのスプレーノズルに装着。Bタイプの噴射レバーはAタイプよりも1mm厚い。装着はできるが安全クリップの上方があおられている。
Aタイプの安全クリップはBタイプに比べると、噴射レバーにはまる部分のすき間が、1mm狭くなっていますので(Bタイプの噴射レバーはAタイプの噴射レバーより1mm厚い)、はまりはしますが、ややきつく、多少無理にはめるという感じになり、安全クリップ上部のカールしている部分が若干上方にあおられ、パーツに余計な力がかかります。
一様は使用できますが、経年使用で安全クリップが破損するなどのトラブルが懸念され、あまりおすすめできないと言ったところです。
下の画像は、Bタイプの安全クリップをAタイプのスプレーノズルに装着したところです。

Bタイプの安全クリップをAタイプのスプレーノズルに装着。はまりはするが、Aタイプの噴射レバーはBタイプに比べ1mm薄いので、ゆるゆるである。

Bタイプの安全クリップをAタイプのスプレーノズルに装着。安全クリップをつまんで引っ張ると、するすると抜けていく。
こちらも、はまりはしますが、逆にゆるゆるで、安全クリップと噴射レバーに付いているギザギザのノッチが密着せず、つまんで引っ張ると簡単に外れてしまいます。
これでは、安全クリップが知らぬ間に抜けてしまう可能性が高く、使用には適しません。
AタイプとBタイプに互換性はないと言う結果になりました。
「フロンティアーズマンマックス(ベアーアタック)」の安全クリップ
アマゾン セイバー ベアーアタック熊撃退スプレー7.9オンス
アマゾン セイバーフロンティアーズマン7.9オンス234ml
アマゾン セイバーフロンティアーズマンMAX9.2オンス272ml
フロンティアーズマンは、R7年(2025年)から「フロンティアーズマンマックス」に名称が変更されています。
また、日本では「ベアーアタック」という名称でも販売されています。
安全クリップはフロンティアーズマンマックスの輸入代理店であるモンベルから販売されており、安全クリップの形状は、画像から判断する限りでは、前述で説明したBタイプの特徴と酷似しており、カウンターアソールトで使用されているBタイプと同じ規格なのではないかと推測します。

フロンティアーズマンマックスの安全クリップ。噴射レバーがはまる部分の後端が角ばっている、くさび部分底辺に角度が付いている、くさび部分内側に半円の突起がないなどBタイプの形状と酷似。出典:モンベル
モンベル SABRE セーフティクリップ
下の画像は、左がフロンティアーズマン(フロンティアーズマンに名称変更される前の物)で、右がフロンティアーズマンマックスですが、前述のAタイプとBタイプの形状の違いである、
- ③安全クリップくさび部分内側の半円突起の有無
- ㋺グリップ下部の指かけの有無
- ㋩スプレーノズルの側面の形状
- ㋥グリップ内側のアイリングの有無

フロンティアーズマン(左)とフロンティアーズマンマックス(右)の安全クリップとスプレーノズル。左はAタイプ、右はBタイプの特徴が顕著に出ている。出典:アマゾン(左)、モンベルHP(右)
などの違いが確認でき、画像から判断する限りでは、左の物はカウンターアソールトで使用されているAタイプ、右の物はカウンターアソールトで使用されているBタイプと同じ規格なのではないかと推測します。
下の画像は、「ベアーアタック」という名称で販売されているフロンティアーズマンですが、こちらについても同じく、
- ③安全クリップくさび部分内側の半円突起の有無
- ㋺グリップ下部の指かけの有無
- ㋩スプレーノズルの側面の形状
- ㋥グリップ内側のアイリングの有無

ベアーアタックの安全クリップとスプレーノズル。左はAタイプ、右はBタイプの特徴が顕著に出ている。出典:アマゾン
などの違いが確認でき、左の物はカウンターアソールトで使用されているAタイプ、右の物はカウンターアソールトで使用されているBタイプと同じ規格なのではないかと推測します。
フロンティアーズマンマックスについては、モンベルHPの画像を見る限りでは、現行のモデルはBタイプと思われる物が多いのではないかと推測しますが、以前のモデルにはAタイプと思われる物も存在しており、現行モデルが全て同じタイプに統一されているとの情報も確認できませんので、スペアの安全クリップを購入する際は、安全クリップとスプレーノズルの形状をよく確認する必要があると思います。
ベアーアタックについても、輸入業者やラベルが違うだけですので、同様のことが言えるのではないかと思います。
「UDAP」の安全クリップ
アマゾン UDAP 熊撃退スプレー ホルスター付 (米国森林警備隊採用)
アマゾン UDAP 熊撃退スプレー ホルスターなし(米国森林警備隊採用)
UDAPの安全クリップについては、国内では販売されていないようですが、メーカー(米国)の公式HPでは販売されています。
下の画像は、UDAPの公式サイトで販売されている安全クリップですが、画像から判断する限りでは、カウンターアソールトのBタイプやフロンティアーズマンマックスのBタイプに見られるような、くさび部分後端にある脱落防止用のゴムを取り付けるための突起がないほかは、Bタイプの特徴と酷似しており、カウンターアソールトで使用されているBタイプと同じ規格なのではないかと推測します。

UDAPの安全クリップ。噴射レバーがはまる部分の後端が角ばっている、くさび部分底辺に角度が付いている、くさび部分内側に半円の突起がないなどBタイプの形状と酷似。出典:UDAP公式HP
下の画像は、アマゾンで販売されているUDAPですが、前述のAタイプとBタイプの形状の違いである、
- ①安全クリップの噴射レバーがはまる部分の後端の形状
- ③安全クリップくさび部分内側の半円突起の有無
- ㋺グリップ下部の指かけの有無
- ㋩スプレーノズルの側面の形状
- ㋥グリップ内側のアイリングの有無

UDAPの安全クリップとスプレーノズル。左はAタイプ、右はBタイプの特徴が顕著に出ている。出典:アマゾン
などの違いが確認でき、画像から判断する限りでは、左の物はカウンターアソールトで使用されているAタイプ、右の物はカウンターアソールトで使用されているBタイプと同じ規格なのではないかと推測します。
UDAPについても、メーカーHPの画像を見る限りでは、現行のモデルはBタイプと思われる物が多いのではないか推測しますが、以前のモデルにはAタイプと思われる物も存在しており、現行モデルが全て同じタイプに統一されているとの情報も確認できませんので、スペアの安全クリップを購入する際は、安全クリップとスプレーノズルの形状をよく確認する必要があると思います。
「ガードアラスカ」の安全クリップ
アマゾン メース熊撃退スプレー ガードアラスカ【ホルスター付き】
ガードアラスカの安全クリップについては販売されていないようで、メーカーである米国のメース社のHPを確認しましたが、安全クリップの単品売りの掲載はありませんでした。
下の画像は、メース社の公式HPで販売されているガードアラスカですが、Bタイプの特徴である、
- ①安全クリップの噴射レバーがはまる部分後端の角張り
- ③安全クリップくさび部分内側の半円突起なし
- ④くさび部分後端の脱落防止用のゴムを取り付けるための突起
- ㋺グリップ下部の指かけ
- ㋩スプレーノズルの側面の溝
- ㋥グリップ内側のアイリングなし

ガードアラスカの安全クリップとスプレーノズル。Bタイプの特徴が顕著に出ている。出典:Mace公式HP
などが確認でき、画像から判断する限りでは、カウンターアソールトで使用されているBタイプと同じ規格なのではないかと推測します。
ガードアラスカについては、ネット上で確認する限り、Bタイプしか販売されていないようです。
しかし、注意が必要で、メース社のHPにある画像で、スプレーの使用方法を説明しているものの中には、Bタイプと思われるスプレーノズルにAタイプと思われる安全クリップが取り付けられている画像があります。(下の画像参照)

出典:Mace公式HP
この画像は、筆者が前述のカウンターアソールトのBタイプのスプレーノズルに、Aタイプの安全クリップを装着した時と同じような状況が発生しており、安全クリップ上部のカールしている部分のパーツが上方にあおられています。
推測ですが、撮影の際に適合しない安全クリップを誤って装着した可能性があると思われ、もしかすると、ガードアラスカも、AタイプとBタイプが混在しているために、このような間違いが起こったのかもしれません。
ガードアラスカについても、安全クリップの形状などについて、今後注視していく必要があると思います。
対人用催涙スプレーなど
アマゾン 熊撃退スプレー ポリスマグナムB-610
ポリスマグナム(アメリカ製)は、これまでに紹介したEPAが承認した熊よけスプレーとは違い、アメリカの基準では、対人用催涙スプレーのカテゴリーとなりますが、日本の輸入業者がツキノワグマには効果がある(ヒグマには効果がない)と説明して販売しているスプレーです。
ポリスマグナムは、アマゾンなどで安全クリップが販売されています。
下の画像は、アマゾンで販売されている安全クリップですが、画像から判断する限りでは、UDAPの安全クリップと同じく、くさび部分後端にある脱落防止用のゴムを取り付けるための突起がないほかは、Bタイプの特徴と酷似しており、カウンターアソールトで使用されているBタイプと同じ規格なのではないかと推測します。
サイズも示されており、全てカウンターアソールトの安全クリップのBタイプとサイズが同じですので、両者は同じ規格で製造されている可能性があると思います。

ポリスマグナムの安全クリップ。噴射レバーがはまる部分の後端が角ばっている、くさび部分底辺に角度が付いている、くさび部分内側に半円の突起がないなどBタイプの形状と酷似。出典:アマゾン

ポリスマグナムの安全クリップ。出典:アマゾン
アマゾン B-609、B-610用安全クリップ
下の画像は、アマゾンで販売されているポリスマグナムですが、Bタイプの特徴である、
- ①安全クリップの噴射レバーがはまる部分後端の角張り
- ③安全クリップくさび部分内側の半円突起なし
- ㋺グリップ下部の指かけ
- ㋩スプレーノズル側面の溝

ポリスマグナムの安全クリップとスプレーノズル。Bタイプの特徴が顕著に出ている。出典:アマゾン
などが確認でき、画像から判断する限りでは、カウンターアソールトで使用されているBタイプと同じ規格なのではないかと推測します。
ポリスマグナムについては、ネット上で確認する限り、Bタイプしか販売されていないようです。
輸入代理店や販売店は安全クリップの違いに気づいている?いない?
カウンターアソールトの輸入代理店であるアウトバック社のHPには、安全クリップが別売りで販売されていますが、商品の画像はなく、安全クリップが二種類あるなどの記載はありません。
昨年、筆者の山の仲間がアウトバック社に直接問い合わせて安全クリップを購入した際、安全クリップが二種類存在している件を伝えた上で、いわゆるAタイプの在庫を確認したところ、「在庫がございます」との返事がありましたが、安全クリップの形状や品番の違いなどについて特に説明はなかったとのことです。
また、カウンターアソールトを取扱っている、モチヅキ社のHPには、カウンターアソールト用の安全クリップが二種類掲載されており、「セイフティクリップ噴射口赤用」「セイフティクリップ噴射口白用」が販売されています。
噴射口赤用には商品画像があり、Aタイプであることが確認できますが、噴射口白用には商品画像はありません。
このように、モチヅキでは、カウンターアソールトの噴射口の色で、安全クリップの種類分けをしているようですが、筆者が過去に購入したカウンターアソールトには、Aタイプでも噴射口が赤の物と白の物が存在しているため、購入の際にはやはり問い合わせが必要になると思います。

カウンターアソールト。噴射口は白と赤だが、どちらもAタイプ。
モンベルでも同じようなことがあり、公式HPには安全クリップは一種類しか掲載されておらず、商品画像からBタイプであることがわかりますが、前述のとおり、フロンティアーズマンについても、Aタイプ、Bタイプが混在していますので、補足説明などが欲しいところだと思います。
このように、輸入代理店や販売店が掲載している安全クリップに関する商品説明は、現状では、ユーザーにとって必ずしもしっくり来るものではなく、安全クリップの種類の違いなどについて、販売する側は正確に把握しているのだろうか?とも思ってしまいます。
熊よけスプレーは、近年、使用者が増えているとされていますが、熊が多い大雪山や日高などの登山の現場を見ていても、以前はほとんど誰も持っていなかったものが、最近では、時折持っている人を見かけるようになったと言う程度で、熊よけスプレーのユーザーは依然として少数派で、これに加えて、安全クリップをなくし、スペアを購入する登山者は更に少ないはずですから、販売店も積極的に掲載していないのかも知れません。
例えば、商品画像に加えてサイズを掲載したり、現行商品はどのタイプであるとか、以前のロットの物の中には違うタイプがあるとか、ユーザーにわかりやすい表記を期待したいところです。
安全クリップを脱落させないために~コード、蓋付きホルスターなど
ほとんどの熊よけスプレーは、出荷時に安全クリップが絶対に外れないよう色付き(黄色が多い)の結束バンドで安全クリップを固定していますが、この結束バンドは購入後、切断して取り外します。

購入したら、この結束バンドは切っておく。
切断後は、安全クリップを外したり、装着したりすることが出来るようになりますが、メーカーによっては、安全クリップが脱落、紛失しないようAタイプですと、安全クリップのくさび部分に空いている直径3mmほどの穴と、スプレーノズルのグリップ部分をゴム紐で結んでおり、Bタイプの場合ですと、安全クリップ後端とグリップ部分の指かけ上部にコードが引っ掛けられるような突起が付いており、これらの部分にゴム紐などを利用して連結し、安全クリップをリリースした際に安全クリップが落下、紛失しないようにしています。(※くさび部分の穴は、Aタイプ、Bタイプどちらにもある)

Aタイプの脱落防止用のゴム紐。

Bタイプの脱落防止用のゴム紐。
しかし、メーカーなどによっては、これらの脱落防止用のゴム紐などが付いていないものもあり、そのまま登山に出かけた場合、安全クリップが何かの拍子に外れた場合、紛失してしまう可能性があります。

メーカーによっては、このような感じで脱落防止が講じられていない場合もある。
脱落防止用のゴム紐などが付いていない場合は、適当なゴムなどを利用して自作するのが良いと思います。

この例では、くさび部分の穴にゴムを通してグリップに結んだ。

自作の脱落防止用ゴム紐を付けて安全クリップを装着した状況。
また、安全クリップの脱落事故は、使用するホルスターの形状にも関係があります。
熊よけスプレー用のホルスターには、メーカー純正のものや、汎用品など種類や形状も様々ですが、スプレーノズルや安全クリップが覆えるようになっているタイプ(フタが付いているタイプ)のホルスターは、安全クリップが外れにくく、登山に使用する場合はこのようなタイプのホルスターの方が、誤射事故などが起こりにくく、ホルスターの形状にも注意を払う必要があります。(熊よけスプレーのホルスターについて詳しくは「熊よけスプレー~ホルダーと取付位置は?」を読んでみて下さい。)

フタが付いているホルスターの例
アマゾン カウンターアソールト専用ベルクロホルスター
楽天 カウンターアソールト専用ベルクロホルスター
yahoo カウンターアソールト専用ベルクロホルスター

フタが付いていないホルスターの例。
yahoo フロンティアーズマン用ベルトホルスター
まとめ
近年、熊の出没が急増するのと歩調を合わせ、熊よけスプレーの注目度も上がって来ていますが、熊よけスプレーの利用者が増えると、それに比例して誤射事故なども増加することが予想されます。
熊よけスプレーは、使用時以外は、必ず適合するタイプの安全クリップを確実に装着し、安全クリップ脱落防止用のゴム紐なども付けた上で、登山などハードな用途に使用する場合はフタがあるタイプのホルスターを使用することをおすすめします。
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