27Aug
携帯浄水器「ソーヤーシリーズ」の検証については、以前の記事で「マイクロスクイーズ(SP2129)」の浄水スピードの計測を行いましたが、今回は、浄水スピードがシリーズ最速とされる「スクイーズ(SP129)」についても計測を行い、両者の比較検証をしていきます。
(以前の記事、携帯浄水器ソーヤーシリーズについては「検証!携帯浄水器ソーヤーは登山に使えるのか?」を読んでみて下さい。)
携帯浄水器ソーヤーシリーズ
ソーヤーミニSP128
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ソーヤーマイクロスクイーズフィルターSP2129
アマゾン ソーヤー マイクロスクィーズフィルターSP2129
楽天 ソーヤー マイクロスクィーズフィルターSP2129
ソーヤースクイーズフィルターSP131
アマゾン ソーヤー SAWYER スクィーズ フィルター SP131
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ソーヤースクイーズフィルターSP129
アマゾン ソーヤー SAWYER スクィーズ フィルター SP129
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ソーヤーシリーズの携帯浄水器には上記のように4つのラインナップがあり、浄水スピードについては、遅い順から、
・ ソーヤーミニ(SP128)
・ マイクロスクイーズ(SP2129)
・ スクイーズ(SP129及びSP131)
とされておりますが、登山中の水作りにおいては、浄水スピードは速ければ速いほどストレスが少なく、より実用的であると言えます。
そのようなことから、筆者の場合、浄水スピードがシリーズ第2位の「マイクロスクイーズ(SP2129)」を採用し、テント場での水作りに使用していましたが、コース中に水が取れる登山の場合、荷物の軽量化のために飲み水を背負わず、行動中、給水したい時だけその場で必要な量の水を浄水しながらでも、登山が可能かどうかの検証をしてみることにしました。
浄水しながら行動する場合、タイムロスが生まれてしまいますので、浄水スピードはなるべく速いものが良く(マイクロスクイーズの浄水スピードは概ね1L=2分以上)、今回はシリーズ最速の「スクイーズ(SP129)」を採用し、浄水スピードの計測や、行動中の浄水作業にかかる時間などについて検証を行うことにしました。
「マイクロスクイーズ(SP2129)」と「スクイーズ(SP129)」の浄水スピードを比較
両者の浄水スピードを実測してみます。
実験には付属の1L折りたたみボトルを使用し、水は市販の天然水を使用しました。
実験方法は折りたたみボトルを手で保持し、
- 1、自重で浄水する方法
- 2、折りたたみボトルを手で圧迫して浄水する方法
の2種類で行い、ろ過するまでの時間を計測します。
※マイクロスクイーズ(SP2129)の浄水スピードについては、以前に実験を行っておりますので、データは再掲になります。(実験の詳細については「検証!携帯浄水器ソーヤーは登山に使えるのか?」を読んでみて下さい。)
自重浄水
自重による測定結果は、以下のとおりです。
両者共に、概ね一定のスピードでろ過されますが、900ml以降は、ぽたぽたという感じでかなりゆっくりになります。
折りたたみボトルを圧迫して浄水
ボトルを圧迫しての測定結果は、以下のとおりです。
両者共、ボトルを圧迫しているので、水の勢いは最後までほとんど変わりませんが、900ml以降はボトルを圧迫しづらく、勢いはやや落ちてきます。
SP129については、以前、販売店で「2Lで3分」と記載していたことがありましたが、今回の実験でその浄水スピードの速さが証明されました。
なお、ボトルの圧迫のやり方ですが、下の画像のように容器を絞るようにすれば、圧迫がより強くなり、浄水スピードは更に上がりますが、このやり方を多用した場合、容器にかかる負担がより大きくなり、ボトルの寿命を縮めることが予想されますので、ボトルの圧迫は、両手でボトルを挟み込み、適度に圧迫する方法を取りました。
「マイクロスクイーズ(SP2129)」「スクイーズ(SP129)」外観などを比較
以下は今回、新たに購入したスクイーズ(SP129)のセット内容です。
SP129には、浄水フィルター本体以外に、1L用折り畳みボトル2個、メッシュバック(グラビティ用)、グラビティチューブ、インラインハイドレーションアダプタ、洗浄用注射器が付属しており、付属品は必要に応じて使用することになりますが、グラビティシステム(浄水器を高い所に吊るして浄水する方法)やハイドレーションを使用しない人にとっては、特に必要のない付属品がやや多い印象です。
浄水フィルターの洗浄(フィルターの目詰まり防止のため、定期的な洗浄が必要となる)に関しては、付属の洗浄用注射器を使用して浄水フィルターを逆噴射することで洗浄が可能ですが(画像①参照)、洗浄用注射器を現場に持って行きたくない場合などには、「クリーニングカップリング」を使用することで、現場での応急的なフィルター洗浄が可能となります。
クリーニングカップリングを使用してのフィルター洗浄のやり方ですが、折り畳みボトルやペットボトルを浄水フィルターに接続する場合、浄水フィルターを逆向きに接続(浄水フィルターの浄水側(吐出側)に接続)し、逆噴射をして応急的なフィルター洗浄を行いますが、浄水フィルターを逆向きに接続するには、クリーニングカップリングが必要となります。(画像②参照)
このセットにはクリーニングカップリングは付属しておらず、現場で浄水フィルターの洗浄を行いたい場合は、洗浄用注射器を持って行くか、クリーニングカップリングを別売りで購入するしかありません。
セット内容に関してはやや不満が残るところですが、シリーズ最速の浄水フィルターが欲しければこのセットを買うしかなく(フィルター単品の販売は残念ながらありません。)同じく最速の浄水フィルターセット、SP131は現在(R6.8)在庫切れが続いています。
なお、SP129とSP131は、付属品が違うだけで、浄水フィルター本体は全く同じものです。
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「マイクロスクイーズ(SP2129)」「スクイーズ(SP129)」サイズの比較
両者のサイズですが、
SP2129 全長12.0cm×外径4.5cm重量53g
SP129 全長14.5cm×外径5.0cm重量71g
と、SP2129が非常にコンパクトであるのに比べ、SP129は一回り大きい印象なのですが、手のひらに収まるサイズであり、登山に携行する場合、特に大き過ぎるということはないと思います。
登山中(行動中)に浄水をした場合、かかる時間はどれくらいか?
浄水スピードについての実験では、SP129が「1L=1分30秒」というストレスを感じさせないスピードが得られましたが、実際の登山において、行動中に浄水作業をした場合、準備から出発までどのくらい時間がかかるのかについて、検証してみることにしました。
今回は、石狩岳シュナイダーコースの尾根取付きの手前で、沢水を汲み、浄水して出発するまでの時間を計測してみます。
(※なお、石狩岳シュナイダーコースの場合、登山口から最終水場までは約40分と、水を背負わない時間が少なく、さほどの荷物の軽量化にはなりませんが、あくまでの浄水作業の実験ということなのでご了承下さい。)
まず、折り畳みボトル(エバニュー製2Lタイプ)に沢水を汲み、折り畳みボトルの口にSP129を装着し、ナルゲンボトル(1Lタイプ)に注ぎ入れるということを2回繰り返し、合計4Lの浄水を行いましたが、水場に着いてから、水汲み、浄水、片付け、パッキング、出発までの時間は合計「17分」でした。
4Lの浄水作業でトータル17分は、早いとも遅いとも言えそうですが、例えば、コース中のほとんどに沢があるような山(例:カムエクなど)では、必要な分だけ適宜浄水しながら歩行すれば、真夏の暑い時に大量の水を背負って歩く時間が大幅に少なくなり、少しでも荷物を軽量化したい、体力を温存したいと考える人にとって、SP129のような浄水スピードの速い携帯浄水器は、軽量化のための優れたアイテムのひとつになると思います。
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